よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

ピカソの情念

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ミッドナイトタウンに行きました。防衛庁後にできた六本木の総合商業施設です(写真はミッドナイトタウンのタワーです)。

ショッピングモールには大してみるところはありませんが、近くには国立新美術館やそして4階にはサントリー美術館があります。

当日は、夜からのサントリーホールでの東京交響楽団<ユベール・スダーン指揮・ピアノアンドレア・ルケシーニ>のコンサートまで時間があったので30分ほど、美術館で開催されているピカソの展示<巨匠ピカソ・魂のポートレート」展>をみることにしました。

ピカソは長命の画家・彫刻家として知られていますが、その人生はご他聞にもれず波乱万丈でした。友の自殺や2回の結婚のなかで、自らの欲望と造詣革命のための創造と闘い、最後を静かに迎えます。ご承知の通り後世に残した影響ははかりしれないものがありますが、その根底には常に愛情や欲望がながれていることが今回の展示で理解できました。

人間の究極までの性(さが)のなかで、自分をどのように表現するのか、総括するのか。年代ごとに心の襞(ひだ)に潜む情念が垣間見えて、人間としてのピカソの情念に触れた気がしました。どろどろとした人の心がそのまま絵にみてとれる構成でした。

圧巻は八十歳代後半に書いた<抱擁><接吻>です。八十歳代でこの絵を描くなど最後まで女性に対する情熱を捨てていなかったことには驚きです。最後に展示されていた絵は若者の画家といった絵です。最後に自分の思いを描いたのか、あるいは生に対する執着だったのか…。

自分だったらどうかと考えてみましたが、自分の仕事に対する意欲はあるものの、ここまで自分や人に執着はできないと思いました。そして、ピカソの強い思いが崇高な芸術を生み出す源泉だったのだなぁ、としごく関心したのでした。