よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

高齢者専用賃貸住宅の活用DPC活用

 昨日土曜日、札幌において、総合メディカル主催の後援会で、3時間ほど(適合)高齢者専用賃貸住宅の話をしました。高専賃には2種類あり、DPC病院の門前につくるメディカルホーム的門前高専賃と療養病床の代替となる地域高専賃がそれです。

 前者はいわゆる米国の病院近くにあるホテルであったり、ナーシングホームであったりするわけですが、場合によってはより医療的なレベルの高い新しい概念でケアを受けることができる住居となる可能性もあります。

 術前検査を外来で受け、ムンテラ、入院指導を受けたうえで、持参薬をもらいに行って1週間程度で入院といったながれのなか、入院までの疼痛管理をするといった施設であったり、一入院一治療を行うDPC病院の複数治療が必要な患者さんが退院してから1週間後に入院するといったための施設として、さらには包括・包括外患者さんの病院ベッドの代替として個室的にケアを受ける場としての機能をもつことになります。

 もうすでに日本で一番ベッドをもっている病院グループや二番目の病院グループも着工運営(若しくは準備)しています。

 メディカルホームというキーワードはいずれ厚労省からでてきますので、皆さんも覚えておいてください。

 そして地域高専賃ですが、これも医療法人が附帯事業としてというよりも、別法人で有料サービスをも含めてケアを行う住居です。従来の健常者や介護度が高いといった視点よりも、医療依存度が高い、療養病床の患者さんの受け皿として機能する性格をもった、やはりメディカルホームといえるレベルの医療を提供することができる住居になります。

 もちろん、病院ではないので外付けとなりますが、病院の門前にあったり、病院そのものが運営することにより、患者さんの安楽な生活を提供することができる環境を提供することになります。18日は松江で中国電力山陰合同銀行、そして今井産業の主催で後援会を行います。

 中国地方各県において、毎月後援会や勉強会が定期的に開催されることになります。医療制度改革により医療崩壊介護保険の破たんがいわれていますが、高専賃は、医療難民、介護難民を救うため、地域やターゲットにあった医療看護介護を提供することができる有益な住居であることが理解されるようになるでしょう。

 いずれにしてもベッド削減のあおりを受けた地域社会において、質の高い医療や介護を提供することができるようになります。パスやマニュアルにより教育を受けたスタッフが、DPC病院とほぼ同じレベルでアクシデントやインシデントを抑止する学習や経験を積み、DPC病院からの、あるいはDPC病院への患者さんの安全を担保していくことになります。

 接遇においても、痛みを与えない、恐怖心を与えない、羞恥心を与えない、納得してもらう、不便を与えない、不快な思いを与えない、不利益を与えないといったホワイトボックスが説明する本来の接遇(接遇は技術そのものである)を提供できる場となります。

 したがってここでいう高専賃は、介護からの高専賃ではなく、医療サイドからの高専賃のコンセプトが必要であるといわれています。


「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」