よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療と生き方

 2011年までで介護療養病床廃止と一部の医療療養病床の転換。DPC病院も調整係数が2010年に廃止されます。多くの公的病院は市財政のなかで翻弄され、病院経営トップの能力のなさから地域医療を守れない。院長が医師の先頭に立ち医師や職員を守れない病院に誰が残ろうと思うのか。

 医師と胸襟を開いて語り合える院長がいない。そしてそのなかで不満はいうけれども率先して経営改革をしようとする経営幹部もいない。医師や自治体からきた事務局長や職員はどこにでもいける、と高を括る。

 そして民間病院。誰も資金を提供しない。自助努力での経営を進める。過去にさんざん病院を建て替えさせ、設備投資をさせ、そして経営が悪くなると資金の回収、貸し剥がし

 職員においても、守られている環境から厳しく倒産寸前の企業における従業員のメンタリティーをもてっていない。自分たちのプライドを守るため、地域医療を守るため、必至になって病院改革をしていこうという意欲がなぜ持てないのか。

 リーダー不在を拠り所にして自らの責任を回避していないか。本当に胸に手を当て考えてみたことがあるのか。自分に力がないことは絶対にない。意見具申や改革のための創造の道はどの病院にも開かれている。自分が行動できないことを他人のせいにするのはよそう。医療従事者はすべての仕事のなかでもっとも崇高な仕事をしているといつもうらやましい。多くの国民を救い、多くの人生を守る医療・看護・医療周辺行為を行うことができる。

 国民も自らとそして医療を守るため、熟考し行動しなければならない。摂生と活力。前向きに生きることを誘導する国も政治もないときに、自らの覚醒により一日一日を懸命に生きる。惰眠をむさぼるなかですべてを他責とすることがあるのであれば、戒めていかなければならない。

 自分の手で多くの難題を解決できる力がないなか、であれば少なくとも自分だけは何ができるのか、どう行動すればよいのかを考え、大義をもって成果をあげなければならない。

 またひとつ年を重ねた昨日までを振り返り、医療、そして自分を思う