よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療のトリレンマって

三つの好ましくない状況。三重苦をトリレンマといいます。景気・物価・為替のトリレンマで議論されることがスタートですが、さまざまな状況がトリレンマで説明されています。

病院でいえば、診療報酬引き下げ、病院経営不振、医師不足、受療率低減といったところでしょうか。

景気が回復せず、歳出超過の日本で医療費削減のため診療報酬引き下げが起こり、一方国民の意識の低さや病院数が多いため医師が力を発揮する場を得ることができず、またマネジメントの質が低いため、医師が疲弊して病院を辞める。

ベッド数を少なくすることなく看護基準を整備してしまうというアンマッチから看護師不足も起こった。やはり景気が悪く保険の負担ができない層から受療率が低下し、さらに病院業績は悪化。

病院経営不振。そして振り出しに戻り、上記の議論。てな具合でトリレンマスパイラルに入っています。

国も病院も職員も国民も皆が何をすればよいのかについてよく理解する必要があります。
ベッドを減らすが地域医療を守るための方策の欠如

マネジメントの質をあげ、職員を守る病院経営者の出現

ぬるまゆからの脱却(大変な思いをして精いっぱい仕事をしている職員はたくさんいますが、そうではない職員もいる)

国民は病院にすべて依存せず、生活習慣を見直し健康を自分で管理し責任をもち自立(大変な思いをして治療をしている患者さんには徹底的な救済の手を)

今の医療を守るため、何をしていけばよいのかについて皆がもっと行動していく必要があります。

私たちも自分たちの役割を果たすため精進しなければならないと決意しています。