よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

来年の医療は、現場から変えていこう

 もうすぐ今年も終わりです。今日は病院の事業承継案件の打ち合わせを新橋の弁護士の事務所で行いました。年末ぎりぎりになって、病院の存続について話し合うなかで、今年一年の出来事が走馬灯のように脳裏をよぎりました。

 一般病床は大半の病院が患者を減らし、業績を悪化させました。療養病床はこれからどうしたらよいのか意思決定できず、また越年する病院が多かったようです。
 そして介護施ですが、有料老院ホームはヘルパーが集まらないため、満床にするのをあきらめ、部屋をあかせて運用するところが増えていました。また倒産も相次いだのはご存じのとおりです。

 高専賃が注目あび、とりわけ医療から運営するメディカルホームに、期待がもてる一年でもありました。19年5月に適合高専賃が医療法人の付帯事業となったことを受け、いくつかの急性期病院が高専賃の経営に乗り出しています。私たちも、高専賃運営なんでも相談室http://www.kousenchin.com/をオープンし、中国地方でのプロジェクトをスタートさせました。

 銀行との連携によるDD(デューデリ)も増加して、どちらかというと融資条件を厳格にするためのお手伝いをしたり、さらに貸し越してしまった病院の経営改善や融資の調整を行う仕事も増えました。
いろいろな業態の病院へのコンサルティングの機会もいただきました。

 また、ホームドクターズ倶楽部http://www.hdrsc.net/にも、多くの診療所や病院、そして建設関係の業者さんからの連絡をただき、開業支援や増患対策など、得意分野を拡大することもできました。また、金融機関だけではなく、薬品商社や医療機器メーカー、その他多くの企業との協業も生まれ、医療を様々な角度から見直してみることもできました。

 そうそう、中国の病院と日本の病院との提携のお手伝いができたり、また中国の介護施設の研究を通じて、新しいビジネスの視座を得ることもできました。中国へのラインができました(松井先輩、戸塚さん、そして郭さん、ありがとうございました)ので、中国でのビジネスをしたい医療法人や介護事業者の方、ご相談くださいね。

 結論として、たくさんの人々や企業の方々にご支援をいただき、そして助けていただきながら、ホワイトボックスがもつ理念や思想をより深め、具体化することもできた一年でした。一緒に仕事をしてきた皆さん。また、どこかでお会いした皆さんにもすべて感謝、感謝です。

 ただ、病院は意外とマネジメントが不得意であり、せっかくのすぐれた多くの人材をうまく活用できていないことが業績に影響する、そんなロジック(本当にマネジメントの巧拙が経営に影響します。これはロジックといってもいいと思っています)が鮮明になった年だったと思います。

 医療の質を徹底的に追及するとともに、一方でどうしても財政を考えなければならない場面が増えてきましたが、結局は医療従事者一人一人が力をつけ、彼らを活かす仕組みや制度体制をつくりあげていく病院が成果をあげることは明らかです。

 優れたリーダーを擁する病院は本当にすぐれた成果をあげています。それは地域や場所を問いません。彼らの元には多くのすぐれたスタッフが育ち、創造し、歓喜のなかで仕事を使命感をもって仕事をしています。勿論、リーダーを支えながら頑張っているスタッフがたくさんいる病院もあり成果をあげています。

 来年は、よい病院と本当はよくなれるのに、よくなれない病院がより明確になる年だと思います。それは病院だけではなく、一般の企業も同様です。また人も同じです。
 努力する、そして常にポジティブに前向きに、どのような困難があっても乗り越えていくことに執着する人や組織しか残っていけない時代であると考えています。

 まずは自分が成果をあげる、そんな気持ちで当社のスタッフも動いて欲しい。他の誰よりも懸命に何かを成し遂げようとする意志をもって仕事をしてもらいたい。私もそうしていきます。
 ややもすると楽なほうに動いたり、時間を有効に使えなかったこと、そして熟考せず判断し事業的にもミスをしたこともあり、やはり後悔はありますが、それらを糧として来年は、これまでになくストイックに活動していこうと決意しています。

 どちらにしても医療や介護に携わる皆さん一人一人が変わっていくことでしか結果を出すことはできません。来年は本当に国民に望まれる医療を現場から積み上げ範を示し、大きな潮流にしていきましょう。
 日本の医療介護を変えるつもり(っていうか変えなければ大変です!)で、ガンバリましょう。
みなさん。本当に、本当にありがとうございました。来年もよろしくお願いします。