よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

よい病院(2)すてきな医師がたくさんいらっしゃいます

昨日は私事ですが、私が隠れたよい病院と考えている病院に患者としていってきました。公的な病院でとてもきれいな病院ですが、いままでかかったことのない科を受診をするのに受付の女性笑顔で説明してくれましたし、年配の男性もとても丁寧でした。

今回は、副鼻腔炎(=蓄膿症。人間ドックのMRで指摘を受け要治療となりました)と、のどの痛みでの受診でした。運動靴の耳鼻科の先生は、診察中、どんどんお話をして下さいました。
1.診察をしながら(カメラをみながら)の現状分析(慢性であること、状態)
2.解剖図による、罹患している状況の説明(鼻とのどの疾患の関連も含む)
3.治療方針及び治療の方法
4.それぞれのお薬の効果
5.治療予測期間
6.薬剤での治療が満足した結果が得られない場合には患者から依頼があれば手術
7.その結果得られること
です。

そのときに何回も申し訳ありませんが…という(たぶん癖かもしれませんが、…看護師さんに処置をしてもらっているときにいらっしゃった跡の患者さんには、一回もそういっていませんでした(真横なので聞こえちゃいました→これは問題かも)ので、何か患者さんの意図に合わない可能性があるときにはこの医師は、そうおっしゃるのかもしれません。慢性で時間がかかること、予約がないと時間がかかることといったことについて、このフレーズを使われました。これはおっしゃっていただかなくても良いとは思うフレーズですが、人柄が感じられました。

短時間の間(10分程度)にこれだけのことを手際よくしていただいたことは、いままでない経験です。
こちら側が質問をしているわけでもなく、いやな顔をしているわけでもなく、要望したことでもないのに…です。普段もこうして患者さんに説明をしているのであることが伺えました。

次回の日程についても、出張がちであるという旨を伝えたところ、「私でなくとも十分わかるようにしておきますので…」とカルテにしがみつくように書き込んでいらっしゃいました。診療録に記録をすることで、他の医師に伝えるのは当たり前のことですが、一連のながれのなかでのこと話し方は、この医師の首尾一貫した姿勢を教えてくれました。

そして最後に、「慢性ですから半年はかかるかもしれませんが、治していきましょう。頑張ってくださいね」といってくれました。たった蓄膿症であったとしても、そして別に投薬で治療するだけですから、こちらが面食らいました。

患者さんが治すという気持ちを持って下さいね…という意識づけをしていただいたと思います。何ごとも小さな一つであっても、全力でぶつかりなさいという示唆を与えていただいた気がしました。
いろいろな先生を存じ上げているだけに、ひさびさに感動しました。

そして次に以前別の検査をしたので、その結果を聞きに他科に行きました。そこでいらした先生はこれまた良い先生で、実際に検査をされていない医師でしたが、これまた私の顔をみながら、丁寧に説明していただき「大丈夫です。よかったですね~」といっていただきました。会話が成り立ち、自分の気持ちを笑顔で伝えてくれました。例え社交辞令であったとしても、私には言葉のトーンから気持ちがわかった気がします。

また、何かあった場合にはこうして欲しいという説明をしていただき、またちょっとした質問にもきちっと納得いく説明をいただきました。2人の医師で4つの部屋を使い、次々に患者さんを診察、処置されていましたから、たった数分の出来事で、運動靴の先生はあっというまに立ち上がり、次の指示を出されていました。

いや~良い先生は沢山いらっしゃいます。
もちろん医療技術に触れたわけではありません。治療の、少なくとも患者に対する接し方や、応対に触れただけです。しかし、こうした医師は間違いなく仕事に真摯であり、小さな一つ一つを大切にしていにる医師であると思います。病院の風土や文化、リーダーのすごさというものもあるとは思いますが、会う医師会う医師がこうであると(日本の医療はやっぱり大丈夫という意味で)すごく安心しそして満足した気持ちになれました。

医師の一言や一つの動作から学ぶことが沢山あります。また、違う科を受診してみようと思いたくなる(簡単に病院にいくなというお叱りは別途お受けします〔汗〕)、経験でした。