よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

病院経営の基本について

 病院経営の基本は、次のものです。ステップごとに示します。

(1)損益分岐点分析を行い、次に借入金返済のための税引き後キャッシュを載せた医業収益を計算

(2)その医療収益を確保するための単価一定とした患者数を決定する

(3)外来患者+入院患者の確定

(4)必要稼働率を決定
という準備を行った後、

(5)稼働率を維持する患者を入院させる。平均在院日数は施設基準をクリヤーしていればよし

(6)増患し、稼働率を維持しながら在院日数を短縮する

(7)手術件数を増加させ単価をあげる

(8)技術料の高い手術に転換しさらに単価をあげる
といったながれで収益を拡大していきます。

 病院はキャッシュフローが廻ってはじめて存続できます。公的病院は除外されますが、それでも結局は患者の支持を受けた対価としての収益を得なければなりません。収益が少ないというのはブランドがないことが原因の重要な部分ですし、利益が少ないことは運営に問題があるということになります。

 上記を遂行するのは難しいですが、これをすることで本来の病院経営を行うことができるようになります。どのようにしていくのかについては別途説明を加えましょう。