少し曇り空の青山は、少しだけ爽やかな空気がながれていました。
今日は、昨年に引き続き、国際医療福祉大学大学院東京キャンパスで、認定看護管理者サードレベルへのレクチャーを行いました。18名の看護部幹部の方々に来ていただきました。
財務管理や経営分析とはいえ、結局はマネジメントが脆弱であればこれらを活かすことはできないため、私のレクチャーは、そのものというよりもマネジメント全体のスケルトンからスタートです。
資料のなかには、何をちまよったのか、
「目的を明確にせず、短い時間で財務管理や経営分析を学んでも、何も身に付かずに、青山で学習をしたという経験や思い出が残るだけである。
今回、短く、しかし焦点を絞り理解したことをきっかけとして、これからの現場において、さらに理解の度合いを深めていくとともに、学習の成果を行動に結実させていくことが求められている。学んだという事実ではなく、変革したという成果をあげることがリーダーの役割であるからだ。人は置かれてきた環境や過去の経験・知識により影響を受け、ある瞬間の連続を生き続けている。
そのなかでは自分が強く思考し、目的をもつ意思により行動すれば、過去からつくりあげられた運命から解き放たれ、大きく自己変革することができる。
自らが覚醒し変革すればそれは他者に影響を与える。相互が自己変革し、成果をあげるよう行動すれば、その思いは組織全体に伝播し、組織全体を変えていくことができる。管理者の役割は変革し続けること」
とか記載してあり、自分で読み上げていると、恥ずかしさで顔がほてるのがわかりました。
いずれにしてもマネジメントについて説明し続けたレクチャーは思い通りに進み、お弁当をいただいたあとは、午後の部に。
ルカパチオリが、1400年代に複式簿記を発明したことからはじまり、静態的貸借対照表そして動態的貸借対照表を説明しました。
そしてそれは、実際の貸借対照表や損益計算書、そしてキャッシュフローへと進みます。さらに管理会計にはいり、マネジメントの体系や領域を説明したのち、部門別損益計算や患者別疾病別原価計算に話が進んだところで、携帯に電話。
高橋泰教授が大学院にいるので、私のレクチャーしている部屋に遊びにくるということ。
私のレクチャーよりもためになることうけあいの高橋泰先生を迎えることに。
ほんの数分間は心待ちの時間でしたが、先生が部屋に、よっと、いう感じで入られたので、お願いするとすんなり講義始まり。看護師さん達も待っていましたとばかり、表情がにこやかに。
しばらくフランスの医療や高齢者が2015年以降地域により減少すること、そして現在の仕事、これからのライフワークといったことで話が盛り上がりました。
とくに、さすがと思ったのは、ネクタイをしない人が増えたり、結婚式で仲人抜きの披露宴が増えたように、ある日とつぜんPEG(胃瘻)をする高齢者が減るだろうという仮説です。
フランスでは最後を病院で迎える高齢者が80%に及び日本と環境は似ている。しかし20年前からPEGを増設しなくなった。あるとき看護師さんが、胃に穴をあけて無理やり生かすのは可哀そうではないかという議論があり、それからコンセンサスがつくられPEGをつくる人がほとんどいなくなったという話をされました。
あるとき熱波があり高齢者1万人以上がなくなった時期あたりからそうした状況になったのではないかと推論しこれは今年も検証をしたうえで発表したいと語っていました。101匹目の猿という例を引き、日本においても、こうした終末医療へのアンチテーゼが起こり、とつぜんみなPEGをしなくなると思うと私見を話されました。
そもそも高橋泰先生が話をすると、確実に世論が形成され、というか医療業界や厚労省での意見形成が行われ、本当になってしまうのがすごい。
今回も、インディペンダントのフランス人がそうした行動をするのは、日本と死亡する場所が同じでも、メンタリティは違うのではないかといったことの質問に対しては、パリのアパートの狭さに起因するという考えや、最後は場所を選んで天国にいくという思想の現れであるといった話をお伺いしました。
この際なので記念撮影をお願いしたあと、高橋先生が、「それではよろしく」と部屋をでていかれたあと、私のレクチャーは続きましたが、実際の原価計算資料をチェックしつつ、8月7日の第二回目のレクチャーでの再会を約して、レクチャーは18時近くに終了(受講生の皆さん、お約束通りプチ試験しますからよろしく…)。
そのあと、大学院の高橋先生の研究室を訪問し、超多忙な先生との8月の暑気払い会食の約束をして、事務所に戻りました。
ほどなくアイザックが来社し、英会話レッスンののち、無事達成感をもって一日のスケジュールが完了したのでした。