昔、兄が仙台に住んでいたときに訪れたことがあります。船に乗り、カモメと戯れたり、子供ながらに景観に感動した覚えがあります。
本来は、足を伸ばして海岸までいくべきではありましたが、東京での会議があり、戻る必要がありましたので、さすがに観光旅行をする雰囲気ではありませんでした。
こうして電車の窓から、ほんの少しだけ見える海のかけらの景色によって、松島の海の美しさや、海のもつイメージを思い浮かべることができるのですから、これでよしとしなければならないと思います。というか、こうした景色を記憶に残すことができただけでも幸せと思わなければならないのかもしれません。
この景色のおかげで、今は亡き兄のことや兄の家族のことを思いだし、それをきっかけとして当時の私のことや、その時代のことに思いを寄せることができたのですから…。
場所や景色にあわせ、できるだけ多くの経験と、その背景にある自分の考えや思いをもつことができれば、必ず何かのきっかけにより、過去の思いや情景を思い起こすことができます。
人の思いは、思いをもてるかぎり永遠で、薄れて行ったり消えて行く思いもあるとは思いますが、思いをもてばもつほど豊かな人生を送ったことになると考えます。それは人生の誇りであり、証跡です。
これからもできるだけ強い思いをもち、たくさんの経験を積み重ねていければ幸せだと、思っています。