よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

柔軟性ということについて

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 仕事にしてもプライベートにしても、環境変化にある程度柔軟に対応できる人が成果をあげることができます。これはポリシーを捨てるということではなく、また自分を表に出さないということでもなく、さらには優柔不断ということでもありません。
 
 柔軟とは、「一つの立場や考え方にこだわらず、その場に応じた処置・判断のできるさま」をいいます。
 
 まずは自我をもち、主体性をもったうえで、環境が変化したときの変化の領域を見極め、それが自分の考えてていることとどれだけ相違するのか、また、自分の進む方向とどれだけ乖離があるのかについて検討を行い、それが許容できる範囲であれば、そちらの方向に進み、さらにそのうえで修正をしつつ自分の思う方向や位置に進んでいくということを意味しています。
 
 ここにすんなわち柔軟というのは、自らの目的を失念せず、また、進む道を捨てるのではなく、それらに到達するにしても、環境や相手を受け入れたうえで、そのうえで、どうすれば考える道に進めるかを考えることをいいます。何も進まないよりも、また何かにぶつかるよりも、まずはそちらの道を選択し、受け入れる。
 
 しかし、そのなかでどうすればもともとの自分の進む方向に進めるかのストーリーや手順を考え、それを斟酌したうえで、当面の対応を行う。そのほうが、正面突破よりも先に目的地に到達するという判断があれば、そちらをとるということを意味しています。
 
 とにかく前に進む。意図したものや企図したものと大きく違わないのであれば、容易に進めるところからはいり次に進むという考え方です。かたくなに一つのことしか念頭にない。置かない、それ以外は受け入れないという姿勢は、ある意味崇高ではありますが、変化の激しい時代に生きていくための方法としては、適切ではないと考えています。
 
 目的を捨てるのではなく、どうしたら早期にそこに到達することができるのかを考えたとき、柔軟に対応して成果をあげる。そうした考え方をしっかりともつことが有効であるし、また、時代を乗り越えるために必要不可欠な思考、発想、行動であると考えるのです。
 
 どのような手段でもとるということは少し言い過ぎですが、全体が見えている、鳥瞰図的に把握できているときはいうまでもなく、見えていない部分があったとしても、まずは目的に少しでも近づけるように行動することができれば、得られる成果も大きなものとなることは間違いがありません。
 
 常に考えを四方八方にめぐらせ、常にチャンスを狙い、関与することができるタイミングを見計らって、食らいつく。多少、自分が当初考えていたこととは相違したとしても、周り道であったとしても、相手の立場や環境変化を受け入れるということが必要である、という結論です。
 
 柔軟であるということは、別の意味でいえば執拗である、執着をもっている、何をしても目的を達成するという印象があります。柔軟でないために間口を狭くし、自分の成長機会やチャレンジする機会を失うのでは、間違いなくマイナスです。繰り返しますが、主体性をもって、許容するところは許容する、受け入れるところは受け入れるという姿勢をもって対応することが必要です。方便ということであるのかもしれません。
 
 なお、まったく自分の考えや方向と異なることであれば対応できる筈もありません。柔軟になりようがないということになります。あくまでも、一定の範囲のなかで自分の許容する、また、その方向に進んでいけば回り道でも目的を達成できるという見込みがある、あるいは想定できるときにその道を選択するということになります。
 
 常に柔らかい頭をもち、何をしなければならないのか、そのためにはどのような手段をとる必要があるのかをよく考え、柔軟性をもってに対応していく必要があります。