よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

進化するマニュアル管理(3)クリティカルパスのアセスメントツール

進化するマニュアル管理(3)クリティカルパスのアセスメントツール
 ガントチャートとしてのパスを理解して業務を遂行するためには、各行為項目についてのマニュアルが必要です。

 例えばバイタル4検とあったときに、単に温度版に体温、脈拍の記録をし続けるだけではなく、声かけをしたうで、相手の呼吸や反応の変化を時系列でチェックし、目の色をチェックし、肌の色艶をみて、記録をするという看護師さんは本当のパス項目の意味を理解し、実行に移している看護師さんです。

 そのときにどのような状態であれば、どのような変化があれば、そしてどのような事実があれば、こうであるといったノウハウを常にマニュアルに反映させ、組織的に展開していくことによって組織の医療の質は格段に向上します。

 パスが単なるオーダーの一部として利用されるのではなく、またインフォームドコンセントの道具として利用されるだけではなく、本来の意味での医療及び医療周辺行為の基本的なオペレーションを誘導するための医療ツールとして利用することが必要であると考えます。

 そこから、バリアンスから課題を抽出、パス改訂や業務改革につなげることや、アウトカム記載内容を検討することでパスの改訂を誘導していくことができる体制が生まれます。

 したがってパスをパスだけで機能させようとするのではなく、周辺の道具としてアルゴリズムやマニュアルなど、その説明を正しく行えるよう準備をしておくことが本当の意味でパスを利用し、チーム医療を行うための基本となる、と考えています。

 マニュアルを常に進化させることによって、パスそのものから得られる成果を高めていくことができる、と考えることが適当です。

〔ドクタートレジャーボックス同時掲載記事〕