よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

コミュニケーションのポテンシャル

 

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コミュニケーションとは、自分の思いや意見を、言語や非言語を通じて相手に伝えることをいいます。

 

 非言語で、行なうコミュニケーションをノンバーバルコミュニケーション(NVC)といいます。表情や目の輝き、視線や身振り手振りがそれらに該当します。仕事上のコミュニケーションは言語と非言語の複合されたものです。さすがに非言語のコミュニケーションだけでは仕事はできないですよね。

  

 ただ、通常の(内容を伴った)言語によるバーバルコミュニケーション(VC)が成立することを前提として、NVCの定義をもう少し拡大して考えてみると、NVCが如何に大切なのかが分かります。

 

 たとえば、気遣いや思いやり一部がそれです。

 

 気遣いは文字通り相手に気を遣うこと、失礼のないように、あれこれと気にかけることです。言語での対応が必要ですが、言葉だけではなく態度や礼儀作法の一部としても気遣いを捉えることができます。

 

 相手の話を聞く姿勢や態度、席への案内の仕方、的確な受け答えのための間づくりなどが、形式ではなく、相手を尊重した頷きや、目の暖かさとともに提示されることがあれば、相手は心を開き、信頼を寄せてくれます。

 

 思いやりは、気遣いを含むより大きな概念ですが、相手の心情や立場な立つ行動や、心を配ること、相手の都合を斟酌した行いをいいます。

 相手の良いところを好きになり、相手と時間を過ごすときに全身をつかい、相手をおもんばかる行動をとることが、その内容になると思います。

 

 これらも広義のNVCと捉える必要があります。そもそも礼儀作法も思いやりも、思いや考えがなければ成立しないし、コミュニケーションのなかで発言されなければ意味がありません。

 

 仕事を進めるにあたり、これらのNVCはVCを引き立て、相手からの信頼を得て心を開いてもらい、双方にとって最適な関係をつくり出します。

 

 部下と上司のコミュニケーションに報告、連絡、相談という切り口がありますが、上司、部下双方に立場に応じたNVCがあれば、双方に信頼と責任感が生まれ、報連相は自然に行われるようになるし、成果も上がりやすくなると考えています。

 

 報連相というVCが成立しないのは、双方か相手のどちらかに信頼がないことに起因することが多いとすれば、そこにはここでいうNVCも生まれていないという結論です。

 

 気遣いや思いやりの視点をもちNVCを行える意識があれば信頼が生まれて、VCがうまく進み成果が挙がる、というロジックですね(もちろん、仕事を成し遂げるスキルがあってのことですが、スキルもコミュニケーションが活発になることで高められるという一面もあります)。

 

 コミュニケーションと仕事に対する姿勢や態度は区分されて考えられがちですが、後者は、コミュニケーションを通じて評価されることが多いことを考えると、NVCの意味を十分に理解することの必要性が分かります。

 

 人は一人では生きられません。人が相互に助け合いながら社会が形成されています。

 

 常に思いをもち、やりたいこと、やらなければならないことを意識し、自分を堅持しながら相手の立場に立った行いをすることが、人生を充実させる要諦です。

 

 コミュニケーションについて、より深く考え、そのポテンシャル(潜在能力)を理解したうえで仕事を捉え、より自分らしく生きるためにNVCの本質に迫ること。

 とても大きなテーマだと私は考えています。