よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

感情をコントロールする

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どんなことにも感動しない、怒りをもたたない、悲しまない、喜ばない、嘆かない——。感情のない人生があるとしたらそれは、とても寂しく無味乾燥です。

 

朝起きて青空に感動し、窓を開けたそよ風に心地よさを感じ、おいしい朝ごはんに感謝し、今日も元気で朝をスタートすることに喜びを感じる。新聞を読みながら事件を悲しみ、宗教戦争に怒り、日本の政治に憤りを覚え嘆く。どうすれば国がよくなるのか、自分はどのように行動すればよいのか、思いをはせる。部下の仕事ぶりに「なぜできないのか」と少し悲しみ、ある者には「何でこんなにできるんだろう」と感嘆する。そして、仲間の成長ぶりや自分の一日の成果を喜び、一人悦に入る。一日はそんなふうに過ぎていきます。

 

感情があるから自分がいるし、自分が生きていることがわかります。健康であろうとなかろうと、感情のない人生はありえません。

 

人の感情は、環境に左右され、常に動いています。今嬉しいと思ったあとに、すぐ悲しみを感じることや、今喜んだあとにすぐ怒るということもあります。生命は常に動いているのです。「好き嫌い」も感情の表れです。

 

しかし、あまりにも喜怒哀楽が激しい、どのようなことにも感情を表に出す。相手を威嚇する、どなる、脅す、ということがあれば、社会では受け入れられることはありません。社会には、怒り、憎しみなどのマイナスの感情を抑えきれずに、人間関係を壊してしまう人がいます。とても残念なことです。

 

感情的になる人は間違いなく社会からオミットされます。意図的に感情的になったふりをして、指導をする人がいますが、それも正しいやり方なのかと疑います。感情のコントロールは、難しいといわれていますが、相手の立場になり自分を客観視することでそれができるようになります。

 

相手から好かれる、相手を好きになるよう行動する訓練を行うことで、自然に感情を気持ちに置き換えられるようになります。感情はもちながらも、理性をもってその感情の背景を知り、感情が沸きあがる理由を理解して、気持ちに変えて行動しなければなりません。

 

感情を気持ち(感情は気持ちですが、「気持ち」というと自分を俯瞰できる気になります)に置き換えてコントロールし、そこで明らかになった問題、いったいなぜこんな気持ちになるのだろうと考え、それを解消するために、冷静に対処するのです。

 

自分の思いとは違う対応や結果は、自分のせいなのか相手に原因があるのか、自分に原因があるとすればどこに問題があるのか、

  • 事前の準備、
  • コミュニケーション、
  • 確認、
  • 調整

が不足していたのではないか、また相手に理由があるときにはどのような課題があるのか、それは

  • 相手の性格によるものか、
  • 力不足なのか、
  • 相手の立場がそうさせているのか、
  • 相手はどのように思っているのか、
  • 結局は自分に責任があるのではないか、

といったことを考えます。

 

そのことで自分なりの結論を出し次はうまくやれるし、相手を理解することで理解に基づいた行動をとれるようになります。相手から見られる自分を修正し、相手を分析的に観察しながら感情を客観視することで物事にうまく対処できるし感情的にならずに常に冷静に対処することができるのです。

 

なお、CANの考え方により、自分をつくりあげ相手からの評価を高めてコンフリクト(衝突)をなくし、自分の思い通りに進まない状況を排除できます。ここでCANは、

  1. 仕事に対する正しい姿勢(Correct attitude)や
  2. 適切な行い(Appropriate action)を心掛ける、
  3. 仕事で必要とされる人(a person Needed)になる

ことをいいます。

 

 ネガティブな感情をコントロールし、常に自責のより行動すると共に、広い心をもち爽やかに生きていきたいものです。