よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

果敢に挑戦すること

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 コロナ一色の景色だった今年も残すところわずかになりました。

 やらなければならないとや、やりたいことができた一年だったかどうかを振り返ります。

 

 その前に、やらなければならないことと、やりたいことはどんな関係にあるのかを考えてみます。

 

 人が「思い」により行動するとすれば、何かをしなければという思いは、やらなければならないことであることは間違いありません。

 

 しかし、自分は気が進まない、あるいはそれほど嫌ではないけれど、やらなければならないこともあるし、さらに嫌で嫌で仕方ないけれども仕事だからと自分を納得させて、どうしてもやらなければならないこともあります。

 

 一方、やらなければならないことが、やりたいことであることもあり、まあやってもいいと思うのか、どうしてもやりたいと情熱を持てるレベルがあります。

 

 こうして考えると、やらなければならないことは、以下のように整理できます。

  1. 嫌で嫌で仕方ない
  2. 気が進まない
  3. それほど嫌ではない
  4. まあやってもいい
  5. どうしてもやりたい

 

 皆さんは、これらのどれを楽しいと思いますか?一番たのしいのは5で、数字が小さくなるにしたがって楽しくない、とするのが通常です。

 1と2はやりたくないこと、3はどちらでもない、4と5はやりたいことと定義できますね。人はどうしても1や2を回避しがちです。

 

 しかし、やらなければならないことが将来の自分にとり、有意義でためになることだったとき、気が進まない、嫌で嫌で仕方ないけれど、得られる成果を想い、何かをやり始めることがあります。

 

 何かに挑戦して努力の結果成果を挙げた経験のある人であれば、そのときに得られた達成感の心地よさが何処かに残っていることがあるからです。

 

 なので、やりたくないことでも、必要に応じ何かを成し遂げたときの達成感を味わいたくて、未来の達成感に導かれるように何かに取り組むことや、行動しているうちに少しずつ成長できている自分に満足できて、楽しくなることもあります。

 

 いままで不得意だったことや、面白くないと思っていた仕事が実は奥深い、やりがいのある仕事なんだと気付くことで、楽しさが増幅することがあれば、1や2に取り組むことも、まんざらではないのです。

 

 いや、敢えて1や2に取り組んでいくことにより新しい自分を見つけることができる、という意味では率先して自分が嫌な仕事を拾いにいくことも必要ではないかと思っています。

 

 自分の未来を見据え、自分はどうなりたいという思いや信念をもって、やりたいことだけではなく、やりたくないことに挑戦することも大切なんですね。

 

 嫌なことでもやらなければならない、という短絡的なことではなく、自分の胸に手を当て、やりたいことをできる自分になるために、ASCS※を使うことが有効です。

 

  1. 将来の自分(到達点=Attainment)を設定し
  2. 現状(=Staite)と比較して分析したうえで、
  3. 何をすれば両者のギャップを埋められるのかを考え(確認=Confirmation)、
  4. 解決策(=Solution)を検討する

のです。

※弊社が主張する考え方。意思決定を行うとき組織でも個人でもASCSを使う。Sが適切でなければPDCAを回しても成果を挙げづらいことが分かっている。

 

 解決策のなかに、自分のできていない、不得意な、手間のかかることがあれば、そこに勇気をもって手を入れ行動してみることが必要という帰結です。

 

 こうして考えると、単にやらなければならないことややりたいことができたかという振り返りでは足りません。

 

 もう一歩踏み込んで自分を見つめ直し、

  1. どんな自分になりたいのか、
  2. そのためには何をしなければならないのか、
  3. それができたのかできなかったのか、
  4. なぜできたのかできなかったのか

を反芻することが、とても大事です。

 

 やらなければならないことをやるとき、元々やりたいことができるのに越したことはありませんが、「混沌とした未来」に挑戦するため、敢えて前向きに苦労する道を選択することも一法です。

 

 やりたくないことのやりたいことへの転換が図れるよう、しっかりと計画を立てていかなければならないと、いま考えています。