よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療が変わる(1)

DPCを採用している病院が20万床、残り20万床の枠に入る急性期病院が残る。

DPCを採用しない一般病床は、回復期か亜急性期病院に転換というながれがみえてきました。医療療養型病院では、ADLによって点数の変化をもたせることで、医療依存度が高い患者さんを施設から再度病院に転院させるながれをつくりあげます。

施設で医療依存度が高いにも関わらず、療養型病院に空きがないために移動できない患者さんの救済の意味もあると、制度に関与している教授から話をお聞きしました。地域連携パスのあり方についても、最終的には良い急性期病院とそうではない病院の峻別をするためのながれをつくりあげるものとなりうるものであり、病床区分のあり方に先が見えてきたという感じがします。

また、施設についても高齢者賃貸住宅と老人ホームの区分がゆるやかになってくるながれがあり、患者さんが保証金等のコスト負担を少なくしながら介護サービスを受けられる環境も整いつつあります。

紹介加算の廃止や初診料や再診料の引き下げについても代替的な施策はあるとしても、今後医療費を必要とする場所に傾斜配分する(前出教授)といったながれのなかで必然的に生れてきた改正であることが判ります。

今後医療を提供する側も、そして医療を受ける側も医療保険制度や介護保険制度を
  正確に認識し、どのような方向をもって国が何をしようとしているのかを見極めたうえで多くの選択肢から自己決定を行っていく必要があります。