よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

職務基準について

今日は東京T病院で職務基準のミーティングがありました。
病棟、外来、診療所のトップ看護師が集まり、そこで職務基準の宿題を提出。
すでにマニュアルを1100以上作成している病院ですが、まだまだマニュアル委員会においてマニュアルの刷り合わせをしながら精度をあげているうえに、職務基準を作成し、病院の仕事の標準を決めたうえで、個人別の教育を行なうための個人カルテを作成するプロジェクトが進んでいます。

職務基準をもっている病院はとても少ないです。
上長と部下の関係を明確にしたうえで、個人の技術技能をどのように高めていくのかを考えるとき、やはり個人別に病院の求める技術技能の要件を満たしているのかどうかについて十分に検討する必要があります。マニュアル→職務基準→個人カルテ→OJT→Off-JTといったながれをどのようにつくりあげていくのかについて明確なかたちをつくりあげていくことが求められています。

なお、今日は個人カルテの利用の前提についてレクチャーしましたが、基本的には上長が部下の性格や問題点、解決すべき仕事上の課題を瞬時に言える程度に個人について興味をもつ必要がある、といった説明をしましたが、一般的にはなかなか仕事の一面でしか個人を捉えておらず、成果をあげるための教育目的での評価を行なう前提としての個人把握を行なうことが、多くの場合できていないことがわかってきています。

医療制度改正があるなかで、どのように業務改革を行いながら合理的で質の高い経営をしていくのかについて十分に議論する必要があります。