よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療が変わる(2)

病院が置かれている環境は、過去に創造がつかないほど変化していきています。
今日お話した市立病院の事務長は、次のように話されていました。

「私がはじめて病院にきたときには、診療報酬は右肩あがりであったし、ある意味医者もまだまだ採れる時代であった。

したがってそのときには一般的な業務の改善を行うことで数億円の貯金をつくり、また市役所に戻った。しかし今は大変だ。全然環境が違う。

医師のモラールも異なる。家庭を大事にするのはいいが、医者としてのプライドまでなくなりつつある。また、採用も困難である。そのなかで成果をあげなければならない」

診療報酬的に余裕があった時代は、少しぐらいの時間の無駄やロスは利益のなかで吸収することができました。しかし、診療報酬や薬価差がなくなってきたなかで従来型の経営をしていくことは困難であることは誰の目にも明らかです。

具体的に何をするのか、そしてどのような成果をあげていくのかについて真剣に議論する必要があります。

大阪で成果のあがるリスクマネジメントセミナーが開催されました。セミナーの骨子は次のものです。
   
DPC時代の医療制度改正下において、環境適合するために医師を中心とした戦略構築をする必要が ある

②国は制度を変えるが、どのように順応すればよいのかについては方向を示してはくれない

③合理的で質の高い医療を行うためには、業務改革をしなければ勝ち残れない

④リスクマネジメントやパス、マニュアル、教育を四位一体として業務改革を開始する必要がある

⑤リスクマネジメントのあるべき形を探索すべき

⑥ケースマネジメントツールを利用し業務改革を推進すべき

⑦最後は人と仕組みをどのように変革するのかである

⑧そのためのあらゆるITを利用し、かつ教育制度の仔細な再構築が必要

⑨リスクマネジメントをリスクマネジメントだけで捉えず、病院全体改革のツールの一つとして利用することが適当

⑩医療の質向上及び結果としての効率向上を行うことで、平均在院日数短縮と病床利用率の向上、そ して単位当りコスト削減をめざした活動を行う必要


「ドクタートレジャーボックス掲載記事」