よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

病院マニュアルによる業務改革(2)

以下、病院マニュアルによる業務改革(1)で提示した項目についての説明を行います。
 (1)業務に精通することができる、という項目について説明します。これは、マニュアルが課業分析によって網羅的に作成されることによって、必要な仕事はすべてマニュアル化されることになります。

 マニュアルから職務基準を作成し、資格や職位毎にどの職務については誰ができていなければならないのかを決定していきます。意外とこの部分が仔細にチェックされていない病院が多いようです。

 あなたはすくなくとも、これはできていなければならないという業務が、単なる①手順だけではなく、②留意点や③必要な知識や能力、さらに④本来の接遇といった項目においてできていなければならなないという規定をすることになります。職務基準は職務基準だけで成立しません。
 
 ここであげた①から④についてすべてマニュアルによってその内容が担保され、それらについてスキルをもていないければならないと規定するのです。こうしたことを決定したのち、現状と到達点のギャップを教育対象として、OJTのなかで標準化された教育を実施していくことになります。

 結果としてその部署で必要であるとされた業務はすべて個人との間で分担され、かつ内容についても仔細な取り決めのなかで、確実に修得されるまで訓練される結果、業務に精通する、ことになるのです。マニュアルが上記①から④というかたちでできていなければ、これを成し遂げることはできません。マニュアルへのルネッサンスが議論される必要があります(続く)。

「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」