よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

権限規程は経営資源最適化の道具です(1)

 ちょっとながいタイトルですね。今日、日曜日ですが、クライアントに行き、権限規程の作り方を説明してきたので、それをご紹介します。今日はまとめ書きです(もうこれで5つめかな?)。
 それではスタート。

1.はじめに
   権限規程は、企業における仕事上の権限と責任を表す規程であるということができます。

2.内容
   権限は、権利と似ています。しかし、その権利は仕事を進めるという目的を達成するための仕事上  の権利です。組織において仕事を進める権利があるということは、一方で責任をとる、ということで  もあります。
   仕事上の権利はは4つの形で表現することができます。
   ①起案(きあん)
   ②審査(しんさ)
   ③承認(しょうにん)
   ④報告(ほうこく)
  がそれです。

(1)起案
   起案は、提案する権限です。誰かが仕事をするときに、その権限を持ったもの役割を持つ者が、あ  る仕事をすることを提案することを表しています。これをしたいがどうでしょうか、ということを組  織に問うときにこの言葉を使います。経費の支出にしても、仕入にしても一定の権限のなかで承認さ  れている仕事はありますが、その都度判断を仰がなければならない、あるいは形式的に仰ぐようルー  ルが決定されている仕事があります。それらについては誰かが「起案」することで仕事がはじまる、  それが起案の役割です。

(2)審査
   審査はチェックをする権限です。組織で、何かを行うとき、起案されたものが正しいのか、起案す  べき権限に基づいて行われているかどうかを審査する必要があります。審査することは、確かに起案  者が起案の権限と責任をもっていますが、私もそれを審査して正しい権限に基づくものであるという  ことを確認しました、という表現をする行為であるということができます(続く)。


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