よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

リクエストに応えて看護師さんとのこと(2)

なお、走行している間に人事考課制度を構築し、目標管理と併せ業績考課や情意考課を行い、さらに能力考課を職務基準をベースに行う病院もでてきて制度整備を行うことになりました。

 考課者訓練を行う病院では、ケースを我々が作成、グループ討議をしつつ情意考課のスタディをしてきた病院も増えてきました。そのほか、機能評価や医師評価につながる仕事や、経営企画室に属する仕事はすべて行うとともに、8年前から部門別、そして3年前からは疾病別原価計算を実施し、指標管理とともに管理会計体系をつくった病院も20は下りません。

 コスト削減や内部統制、中間管理職研修や増患チームをつくり、紹介率を16%から29%(おしい…。当時は30%が基準であったときもあります)にあげた病院もあります。

 海外で実行されていたプラタナス計画といった企画を真似て増患につなげたり、診療所の所在地をボードに記載、プロジェクトを組成してローラー作戦を行い、劇的に患者が増えた病院もあります。院内セミナーや管理栄養士の派遣もお手のもの。ボードやチラシづくりや医師会事務局への挨拶などなど、看護部と行ってきたことはたくさんあります…。

 フ~ゥ((1)と(2)をここまで一気に書いてちょっと疲れました)。

 その都度、看護部幹部面談や課題の抽出(最近では部署間コンフリクトの改善のために看護部師長の皆さんとの面談が多くあります。そして医師。医師については、ブリーフィングシステムを導入。医師の考え方を戦略化し、事業計画に反映するとともに、毎月の報告のなかで一定の成果をあげるながれをつくる、といった活動も行っています。

 看護部とも看護部方針をつくるために、現場課題を抽出し、病院方針との連関のなかで看護部独自の課題づくりを行い、看護部方針としている病院もあります。

 そもそも病院のマジョリティは看護部であり、嫌われることが一番嫌いな部署です。唯一一度だけ、看護部長に弊社スタッフが怒りを買い、コンサルが終わった病院がありました。しかし、たった、インフォームドコンセントの介助ということを、マニュアル項目に入れることを知らなかっただけで、怒りを買うという理不尽な結果で、院長がなぜあそこで強硬に改革を進めなかったのか不思議な病院でした。

 そして、勿論、DPC協議会の監事をやらせていただいているため、DPC病院に入ることは多く、DPCに係わるコンサルティングをも実施しています。

 ホワイトボックス社ではDPC5段階進化プロセスを発表し、どのようにDPCを前向きに活用し、高密度で質の高い、合理的な医療を行うのかについて、4つのマネジメント領域といった理論を構築し、そのなかにおける業態固有のマネジメント領域の一つとしてDPCをとらえ、新しい考え方による病院経営学の提唱をしています。

 これはもうすぐ雑誌に発表されますが、いずれにしても、それ以外は看護部の皆さんとの活動がメインです(続く)。