よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

管理会計の重要性(2)よい経営のタイムリーな掌握

①マニュアルを整備すること
②パスを整備すること
③リスクマネジメントを実効性のあるものとしていくこと
④教育を一人一人を確実に育成するものとしていくこと
といったことや
⑤改善の具体的方法
⑥PDCAの考え方の現場への導入
⑦ブレークスルーのための方法
等々の現場で利用し成果をあげるための道具を提供することや、

⑧中間管理職の教育や
コーチングの導入
等、職員がもてる力を最大限発揮できる仕組みを導入していく必要があります。


患者さんやご家族のために、あるいは患者さんが自ら進んで治療をする、生きるという意欲をもっていただくために医師や職員が心から働ける環境づくりを経営者は行なっていく義務があります。

医師は自分が医療機関を経営する意欲や目標があるのであれば、マネジメントに精通している必要があります。自分の医療機関をもったときに、経営全般をみなければならないからです。

また職員は各職場の長として病院職員を理事長や院長の出した方針に誘導していくためにマネジメントに精通していなければなりません。多くの部下を合目的に動かし、優れた医療従事者として育成していかなければならないからです。

よい医療はよい経営がなくても提供できます。でも経営がうまくいかず、適性なキャッシュを確保できなければ病院は破綻します。ボランティアでは高い質の医療を継続して提供できないからです。

また、よい医療がなければよい経営があっても病院は成立ちません。患者さんやご家族に必要なのよ良い医療であるからです。でもよい経営があればよい医療を誘導することは可能です。

必要に応じてよい医師、よい職員、よりリーダーを確保することができるからです。よい医療はよい経営に支えられていることがよく理解できます。

よい医療については語りつくだれています。よい経営とはいったいどのような経営を言うのかについて、個々の病院によって環境や人、そして課題が異なるため、一概にはいえませんが、皆さんでそれぞれ定義づけを行い、議論をしていくことが必要です。

管理会計によって、病院が経済的に成立つ経営が行われているかどうか、そうでなければ課題はどこかを明確に発見することができます。

課題が早期に発見されれば、キャッシュフロー獲得阻害要因を早期に排除することが可能です。管理会計が未整備であれば、それができず、問題を悪化させます。

よい経営をしているかどうかをタイムリーに測定するためには、管理会計が必要となる理由です(続く)。