よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

職員はやる気になっているか

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患者が減り、診療報酬が引き下げられる傾向にあるなか、どのような環境変化にも耐えられる強い組織をつくる必要があります。

 

強い組織は強い職員から生まれます。病院で「強い組織」は、「医療の質が高い組織」を意味します。合理的で質の高い医療を行うためには職員の質が高く、常に仕事を見直し生産性を高めていく活動を恒常的に行えなくてはなりません。

 

仕事の質が上がれば生産性も向上することは明確。1時間で10の仕事をしていた人が20の仕事をするためには、ムダのない的確な行動をとり、繰り返しややり直し、ミスを排除する必要があり、それはとりもなおさず、仕事の質を上げなければ達成できないことだからです。

 

業務改善やナレッジマネジメントによるマニュアルにより、仕事の仕組みの見直しを行い、評価を的確に行える制度をつくり、教育に活かし個人の技術技能向上を誘導することが生産性を高めるポイントです。もちろん仕事を阻害する部署間コンフリクト(衝突)の解消も有効な事項です。ルールや制度の見直し、リーダーや職員教育の人間力教育が欠かせません。

 

結論として、明確な戦略実行とやる気のある、力を発揮する職員づくりがマネジメントの対象になることを理解しなければなりません。やる気をつくるのは達成感。病院トップはどうすれば職員が達成感を得続けられるかに腐心することになります。

 

組織目標を達成することを職員の達成感につなげるマネジメントが行われます。個人の属性ややりたいことを比引き出し、組織目標の達成と合せて役割を付与。これをやればあなたも成長できる、やりたいことがこの組織でできるよね、という状況をつくり出す仕組みが必要です。

 

私たちはコミットメント([組織との約束という意味で]公約)を軸にして、本人の尊厳を守り、かつ組織における役割を達成するための支援を促す仕組みをつくっています。

 

モチベーション(動機)でもエンゲージメント(組織への忠誠心)でもない、又大まかなプロミス(約束)でもない、限定的なその人のやりたいことと組織の行なわなければならないことの擦り合わせを行い、組織目標の達成を約束するフローづくりこそ、職員がやる気になり、日々の小さな達成感の帰結となる人生の達成感を得られるマネジメントだと考えています(病院で、職員の皆さんには、人生は自分のもの。あなたが自分でどう生きるかを決める。

 

小さなことでもいい。何か成し遂げたいものをもたない人生は寂しい。仕事を通じて成長しよう。組織を使い、自分の使命を果たし達成感を得られる人生を歩んでいこうと、お話ししています)。

 

何れにしても、あなたの組織は職員のやる気を生み出すマネジメントを行っているのかどうかを確認してみる必要があります。