よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

これからどのような時代になるか・雑感

 

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 これからどのような時代になるかを予想することはとても大切なことだと思います。 

 コロナを契機に自分なりに、多くの人がそのことを考えていると思います。

 

 どうなるのか、ということを予想するためには、まず、現状の分析が必要です。何が起こったのかを反芻することにより、その延長線上をみることが効果的です。

 

 まず、経済が止まるとすごいことが起こる、ということを間近にみて、大企業ですらそのながれに逆らうことはできないという経験は大きかったと思います。業種によっては、有事のときの組織運営において何をしても抗えないこともある、という事実は想像すらできなかったことです。

 

 コロナがレアケースではなく、これからも同様の闘いが生まれるとすれば、今回大きな痛手を被った業種においては、既存事業における修正や新規参入への抵抗、就職動機の変容が起こると考えています。

 

 もちろん、コロナの記憶が途切れる時代の到来を望んでいるので、対応の仕組みができるまでの事ではあると思いますが、しばらくは皆がリスクを共有するなかで、消費行動を抑制するし、海外との行き来も不活性な時期が続き、経済の縮小が生まれるのは自明の理です。

 

 国の財政逼迫も更に加速し、出口が見えません。オリンピックの開催も危惧される中、今年や来年は日本の「かってない最悪な状態を見なければならない」可能性もあります。

 

 今後、それぞれの業種において自分達の事業をどのように継続していくのか、価値創造のポイントを捜し、仕組み化する必要があります。臥薪嘗胆の日々がしばらく続くでしょう。

 

一方、国レベルで、共通の目標があると皆が一体となれることや、人は助け合って生きなければならないことが見えたのはよい体験でした。皆が同じ意識で行動し、一定の成果を挙げることに喜べることは、国民の心底に刻みつけられたと考えています。。

 

このことから、どのような組織においても、仕事をしていくときに課題に立ち向かう一体感や、相手を思いやる一定の態度をとることについての意識醸成が行われ、マネジメントが行い易くなった事実があると思います。

 

今後、共有できるビジョンを立て、(どのくらいか予想できないなかでの一時的な)限定された活動を最大限活用し、成果を挙げる活動が生まれ、コロナを経て各企業は強くなると考えています。

 

 助け合いというキーワードからは、ヤフオク、メルカル等フリマの規模ではなく、助け合いのためのクラウドファンディングの有効活用やNPOを通じた事業、地域毎の地消されなかった食材の販売など、既に萌芽は見えますが、この領域からもさらに新しい事業が生まれることでしょう。

 

 そして、医療の大切さが身に染みて分ったこと、自分の健康は自分で守らなければならないこと、不健康はやばいといことが分かった国民の多くは、自己管理を徹底し、健康を志向することになります。

 

 体力を維持するためには、を身体動かさなければならないこと、しかし単にジムに行くのではなく、自分で工夫しながら健康をつくろうという意識が高揚することは間違いありません。飲食や運動、サプリメントや健康になるための機会創出が活発になります。

 

 働き方については、生産性や他の効用の議論を度外視すれば、仕事は出社しなくてもできること、逆に移動しないことでの生産性は向上すること、ただ、コミュニケーションをとるためには、会ってリアルに話さないとよい人間関係はできない可能性もあることが分りました。

 

 仕事のやり方において、誰もが気付いたように、明らかにIT活用が有益で、何をするにしてもその流れをあらゆる場面で創り上げていくことになります。 チームワークの重要性も見直され、相互関係をつくるための場も設定されます。

 オフィスはスモールオフィス化やレンタル化、プライベートオフィス、コミュニティ型ワークスペースへの志向が高まります。

 

 どこでも仕事ができるという実感は、今まで以上に主体性を喚起し、個人の能力の向上やそのための環境整備が促されるようになります。

 オフライン環境見直しや、Udemyやオンラインセミナー/オンデマンドセミナーなど自己研鑽や教育のシステム構築がより一層有益な事業領域になることは明白です。

 

 自分が力をつけなければ生き残れないという厳しい事実に、どれだけの人が気付き、行動を起こせるかどうかが日本の行方に大きく影響するでしょう。

 

 なお、企業内部でも評価制度や教育体系整備、到達点を明確にした能力開発の仕組みが必要になることはいうまでもありません。

 

 また、今まで必要だと思っていた購買活動や、飲食、遊興の時間が実はコントロールできることが分かり、欲望に任せた行動が自制させるでしょう。また、いまさらながらにECelectronic commerce)の利便性が実感できました。

 

 私も今回多くのサービスを利用しましたが、価格志向でないかぎり、リアルな店舗よりも手際よく欲しいものが手に入ることが分かりました(Uber Eatsは未経験ですが)。

 

 多くの人の実感もそうしたものだと思います。

 

 ただ、Amazonでサチレーション機器をオーダーし、マスクが届いたケースを経験し、中国とのディールは注意が必要ということも分かりました。審美眼を持つことも大切なこと、改めて感じています。

 

 世界に目を向けると、コロナの対応が国民性や政治、医療制度の問題を浮き彫りにしたことも新しい発見でした。

 

 結果的にはさもありなんという、もともと持っていた印象とあまり変わるものではありませんが、それでも特定の国や国民を概念的に再確認したという思いがあります。

 

 だからそれがどうなのかという視点からすれば、そこから各国のこれからを予測することはできませんので、何ということはありませんが、これを契機に欧米やアジアとの日本の関係を深く考えていくきっかけになった気がしています。

 

併せて考えると、今回の事件を契機に、香港 への引き締めを強化する「香港国家安全法」制定など、覇権を強化する国があります。

 

彼らは世界の混乱に乗じ機敏に行動しており、結果として他国に不穏な動きが生まれ、国際経済の停滞や衰退を惹起するのは、誰の目にも明らかです。

 

日本の尖閣諸島への侵略も心配ですが、とりわけ、香港が大好きで、休眠しているものの(捲土重来を狙う)法人をもっている身としては、香港の行く末を考えると気が休まらない日々を送っています。

 

また、ASEANにも執着があります。

 

投資しているホーチミンの小児クリニックがコロナにより、日本のクリニックと同じように大きな打撃を受けたことを悲しく思っていますが、中国の影響が大きい一帯一路に組み込まれたラオスやカンボジア、そしてミャンマーといた地域がどのように変化していくのかについても、自分達がこれから海外において、どのようなチャンスがあるのかを少し考える機会になりました。

 

 こうしてみると、どんな時代になるかというテーマで書いた文章には目新しいことはないし、まだまだ視点が表層的で洞察力がないことに気付きます。

 

 しかし、ここでダラダラ書きなぐった印象をきっかけとして、これからの自分や組織運営をどのように変容させていくのかの第一歩として捉え、さらに観察を重ね、これからの時代を予想し続けて、生き方や仕事の糧にしていきたいと考えています。

 

 いつかは皆が考えつかないことに対して、気付き、行動に移せることを夢見て。