よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

新しい日本をつくるために

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 今は選挙、真っ盛りです。既に結論が見えているとは思いますが、消去法でほぼ現状の政策に依存しなければならない状況であると、私は思っています。
 
 しかし、だからといって劇的な景気回復が起こるということはあり得ません。聡明な国民は理解していますが、
何をしたら、景気があがるのかについて、まったく道筋が見えない状況に我々は置かれています。
 
 就業人口が減少するだけではなく、高齢者が増加するということがいかに国民経済に打撃を与えるのかを世界で一番初めに実験している国という意味では、世界の先端をいっていますが、それ以外に、いくつもの目はあるものの、国民性や一時期繁栄を謳歌してしまった成功体験や、一定の安定的な生活を送ってしまったマジョリティの経験が、積極的な生き方をすべての世界から奪ってしまったのではないかと思うほど、活力が奪われている国になりかけているのではないかと考えています。
 
 GDPは世界第三位であったとしても、国民一人当たりのGDPは世界で27位である、という現状において、アジアの国々と比較すればまだ裕福であるような気はしますが、実際のところ、各国での一定程度のレベルにいる方々との交わりのなかで、我々日本人は本当に貧しい国に成り下がってしまったという思いをもつことが多くあります。
 
卑近な例でいえば(荒唐無稽かもしれませんが)、シンガポールや香港で家をもつことは、難しいし、それどころか北京や上海での生活をしようとしたときに、いまの給料では、日本と同じ以下の生活しかできないことに愕然とすることがあります。もちろん、現地に溶け込み、現地のサラリーマンとして、生活をすることが可能であれば、多少の余裕が生まれるかもしれませんが、それでも以前のアジアの国々と比較すると、随分と変わってきたという思いがあります。
 
本当に日本の力のなさを知るのは香港の町中で出前一丁のラーメン(インスタントですが、香港では店でだすほど人気です)が35香港ドルで豚肉のソテーが付いて、いわゆるパーコー麺的なものを食することができます。庶民の入る「店」です。さて、それはいくらでしょう。35香港ドル×15.457円ですから、541円です!
これは物価の比較になるかどうかはわかりませんが、香港でお買い物を的な、状況ではすでにありません。
 
例えば、マンダリンホテルのカフェキャッスル朝食であれば288香港ドルですから、4455円です。ペニンシュラでも250香港ドル、これはたぶん日本のホテルよりも高いと思います、と庶民の目からみればの話ですが、帝国でも、ニューオータニでも3000円代です。
 
つまらない話になりましたが、実際のところ、日本の現状をみるときに、アジアとの継続的なチェックをしてきている自分としては、どんどん景気が悪くなっているし、円安がいかに厳しいものなのかを知ることになります。財政が破綻するとかしないとかいう問題以前に、これからどのように日本が生活を成り立たせていけばよいのかという課題に対し、益々厳しい状況にあることを、ここで話したかったという結論です。
 
では、どうするのか。やはり、医療をする、介護事業を行うことについて、未来を見据えて、地域を護ることを考えるためには、原点回帰が必要です。
 
 生産性の高く、したがって質は高く、合理的な医療を提供することができる状況をつくりだす必要があります。
 
 個々の医療人は、自らのビィジョンと、組織のあり方を基礎とした明確なテーマを設定し、その達成のために日々努力することしかありません。
 
 どのような思いをもって、医療を行っていくのか、そして、今の日本でどのような医療や介護を継続していかなければならないのかについて、あらゆる角度から検討を行い、結論を出す必要があります。
 
 さらに、国民の意識改革も必要です。健康でいるためには、生活習慣から変えていく必要があります。
 
 実際に規律ある、そして自制した生活をこれからは送ることが義務になるほど、健康でいなければならない状況が来ます。自分を守り、日本を護るために、どのような生活をしなければならないのかについても考える必要があります。
 
 ながい慣習や文化のなかで、生活をつくり、できるけ病気にならない、健康寿命を延ばす、何のためにそれをするのかを明確にしたり、心の拠り所をもつことも大切かもしれません。
 
 何れにしても、生き方自体が日本国を維持していくことに直結することは間違いがありません。
 
 また、介護第二世代のなかで、新しい高齢者向けの新商品サービスを開発し、遅れて高齢化する海外の各国にそれらを展開していくことも必要です。さらに社会保険に依存しない医療や介護の道を探索しつつ、社会保険を維持し、弱者に対する仕組みをどのようにつくるのかを考えていくことも重要でしょう。
 
日本が置かれている現状を知る。そして、危機感をもって、積極的に失地を回復するという思いをすべての国民がもたなければならないと考えています。過去の日本の栄華を忘れ、ここから新しい日本をつくる活動を迅速に進めていくことが必要です。