パープルカウとは、セス・ゴーデンの「紫の牛を売れ」で紹介された考えです。
従来のマーケティングの4P =Product(製品・商品)、Price(価格)、Promotion(プロモー ション)、Place(流通)にPurple cow(目立つもの)をプラスし、マーケティングには5Pが必要だと説明されています。
牧場の茶色い牛には飽きた人の目に、紫の牛※はどのように映るでしょうか。茶色のなかに紫があったら、びっくりしますよね。
※著者が紫色にした理由は頭文字にPがつくものということで、とりわけ意味がないのですが、確かに目立つ色ですね。
結局、消費者はものやサービスが溢れる中で、もう普通のものに辟易としている。だから、消費者が目を見張る「目立つもの」を売らなければものやサービスが売れない時代だ、ということです。
もちろん、目立つだけではなく消費者に利益を生むものでなければならないことは自明の理です。少なくとも従来からあるものやサービスと比較して、これは「凄いね」というものをつくり出していく必要があります。
ただ、実は、今ある価値以上のものやサービスが常に創造されているので、紫の牛もしばらくすると茶色に見えるようになる、なので繰り返し紫の牛を産んでいかなければならないということだと考えています。
今回のテーマ、「パープルカウの育てかた」には、紫の牛を産むこと、それを維持すること、そして紫色も茶色に変化するから常に紫の牛を産み続けよう、という意味が込められています。
新しい目立つ価値を生み出すためには、既存のものやサービスを自社がターゲットとする者に飽きられないように行動するとともに、価値創造する領域において、以下が必要です。
- 常に顧客の立場で考える
- 他社の不足するところを発見する
- 時代や他業界を見て研究しニーズをつかみ続ける
- (自分のできる領域で)本質的なアイデアを出す
- 迅速に行動する
- フィードバックする
- 上記を繰り返し行う
こうしてみると、なーんだ当たり前じゃない、と思いますができていないことが多いようです。
ここでの肝は、本質的なアイデアを出すことです。常に目立つ、凄いものやサービスを生み出すためのアイデアを生むためには、上記1から3の他に、何が必要でしょうか。
まず、価値を生み出すことを諦めず、懸命に考え続けることです。思いと信念により自ら行動すれば、アイデアが生まれます。
次にネットワークを活用することです。日頃から相手の立場に立ち、相手のために自分のできることをして人間関係をつくりあげておけば、多くの人とコミュニケーションがとれます。
やらなければならないことを伝え、自分が軸になるとしても皆の力を借りて新しいアイデアを積み上げていくのです。
なお、生まれたアイデアを強い意志をもって実行しなければ成果を挙げられません。
実行可能なプランを立て迅速に行動、結果をフィードバックしながら次のアイデアを生み、また迅速に行動、そして…と、仮説、検証行動を繰り返しながら、目指すところに到達していきます。
いずれにしても、環境が激変するなか、人と同じことをしているのでは、誰も立ち止まらず、見向きもしてくれません。
既存の取引を人の繋がりだけで続けるのにも限界があります。顧客にとり価値があるから評価され取引が継続する、という原理を忘れてはならないのです。
現状は陳腐化している、変えるべきことは何か、それは新しいか、顧客の利益になるか、を考え、日々着眼をもって行動していきたいと考えています。