先日、監査法人にミーティングでいったとき、会議室にバレリーナがいることに気がつきました。表情はしとやかで、掲げた手の指先は彼女の信念に裏付けられたように、やさしくのびて優雅さを演出しています。衣装には、うっすらと花柄が見えたりして、愛らしいね君は、みたいな…。
しばし友人である(かな…)二人の表情にみとれ、たぶんこれはレッスンのときだと思いますが、何を思い踊っているのかを知りたくなりました。手拍子に合わせた先生のアンドゥートワッという声が聞こえてきそうな感じがします。
マイセン(Meißen)はドイツ・マイセン地方で生産される磁器の呼称であり、名実ともに西洋白磁の頂点に君臨する名窯である、とウィキペディアには書かれています。いつも関心するのですが、なぜこんなものができるのでしょうか。まるで生きているような…。
で、バレリーナといえば、私はベルリン国立バレエ団のプリンシパル中村祥子さんのファンです。
海外からきた有名な白鳥の湖の舞台では、つくられた感じのバレリーナがチャチャチャチャチャラララ~ラと飛び跳ね、またしとやかな表情で悲しみ、黒いチュチュ(衣装名)を着た悪者がでてきて…とストーリーを追っているだけで、感動がないのです。
でも、中村祥子さんは違います。実際に熊川哲也さんのKバレーカンパニーの舞台で観てからとりこになりました。彼女を観てからバレーの認識が変わったのです。
舞台にでてくると、本当に周りが明るく光り、観客席から声にならない感動のため息が聞こえてきます。
ア~ァでもなく、ファ~ァでもなく、空気のながれる音がします。マジ。
このマイセンから来た二人のバレリーナをみて、そんなことをふと思い出していました。
そのあと行われた、監査上におけるGC(ゴーイングコンサーン=継続企業の疑義)の付与に関するミーティングは、無味乾燥なもので、思いはとっくにベルリンに飛んでいたのでした…。