よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

中間管理職の育成について

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組織は、ある目的を達成するためにつくられています。組織目標を達成するためには経営資源を最大活用する必要があります。

組織は自らの進む方向や戦略を決定し、方針を出し目標化します。それら超短期、短期、中期、長期の目標を達成するために活動します。そのためには、

 1.現場のマネジメント

    2.部署のマネジメント

    3.業態固有のマネジメント

    4.組織全体のマネジメント

が必要です。

組織の各階層のリーダーが、それぞれの役割を果たすマネジメントを行うことにより組織は維持、発展します。

組織の機能を果たす職位の構造区分として管理者(トップ)、監督者(ミドル)、一般(ボトム)があります。

トップが組織全体に対する意思決定を行い、ミドルはそれを受けて、それぞれの部署の目標を達成するために意思決定を行い行動します。ボトムはミドルの指示に従い、個々人が意思決定を行いながら現場の目標達成行動を行います。

トップが決定した事項をミドルが正しく把握していなかったり、うまく意思決定に活かせない。またボトムに対する指示が的確に実施されなければ、組織は動きません。

ミドルは、自らが預かる部署目標達成のため、

     1.組織全体のマネジメントを理解し、

     2.他部署との連携をとりながら

     3.組織目標を達成するために

     4.計画的にマネジメントを行い

現場を動かさなければなりません。

ミドルを別の名称でいえば中間管理職です。中間管理職がうまく機能しなければ、組織が成り立たないことが分かります。

経済環境は、とても厳しく大きく変化してきています。多くの組織が発展を望むどころか、現状を維持するためだけの努力をし続けなければならない状況です。

自社はどのように成果をあげればよいのか。組織をあげて考えなければなりません。 

中間管理職は、

    1.トップの出した方針を自部署の役割に変え、

    2.組織の現状と未来を見据え、

    3.よりよい事業を行い地域貢献するために、

    4.組織の機能を最大限活用し、

    5.自部署の課題を解決するなかで、

組織目標を達成するための行動をとらなければなりません。

過去から実績をあげ社会貢献を行ってきた自社の実績を踏まえ、さらにその使命を果たすために、中間管理職としての誇りと責務をもってその役割を果たしていく必要があります。

なお、いうまでもなく事業においては「人」がもっとも重要な経営資源です。彼らが他の時間、情報、モノ、カネといった経営資源を最適化し、全体として成果をあげていきます。 

とりわけ中間管理職の役割は大きく、組織をうまく機能させるために中間管理職が育成されなければなりません。もちろん例外はありますが、明確な戦略や仕組みがありさえすれば、組織では現場を動かすマネジメントの重要性が高いからです。

中間管理職の育成が行われない組織は、単なる個人の集合体としての機能しか果たすことができません。

中間管理職があるときには現場の責任者として率先して組織の成果をあげていくし、あるときはリーダーとして部下を統率し組織力を発揮させます。組織の要としての役割を縦横無人に果たすことにより、組織全体のけん引力として機能します。

一朝一夕にはいきませんが中間管理職育成に力を注ぐこと。時代を乗り越えるため。重要なマネジメントの軸の一つとなるべき事項です。