病院が維持運営されるためには、与えられたベッドを地域で最大限活用することが求められます。それが病院の使命であり、機能役割です。したがって稼働率が低いというのは、病院を正しく活用していない証左であり、問題です。
明らかに常に満床であるという状況をつくりあげることがこれからの病院の考え方でなければなりません。
とりわけDPC病院は規模や分野に応じて、さまざまな急性期を担い活動することになりますが、ベッドが空きがある、ということは許容されないことであり、ベッドが空いているのはなぜか、それはどのようにすれば解消できるのかについて検討し対策をうたなければなりません(男女、個室、診療科、救急ベッド用意、感染等々どうしてもベッドの空きがでる部分はありますが…)。
1.病床を埋める
2.在院日数を短縮し、さらに実患者数を増やし(延患ではない)病床を埋める
3.手術件数を増加させる
4.さらに特異な分野の手術件数やトライしなければならない手術件数を増加させる
というながれのなかで、DPC病院は進化していく必要があります。
増患の2つのモデルとして、
1.よい医師がいて治療成果があがっていることで口コミで患者が集まる
2.プロモーションをしっかりとしてきてみたいと考える患者を増やす
があります。前者は医療の質を高めることであり、後者はプロモーションをしっかりして、地域に展開していくことが必要です。
後者であれば、チラシ、ポスター、健康測定会といったことが後者では行われます。また、新聞、TV、ラジオ、雑誌といった媒体を活用することで、より多く患者さんお来院動機を促すことができます。
いずれにしても、医療の質の向上とプロモーションが増患の切り札であり、患者さんはその信頼を目当てに来院します。
また、病院の内部情報、研修や医師の履歴、手術実績などだけではなく、看護師の活動や医師とのコミュニケーション、教育の風景、カンファレンスの様子などを患者さんに報告することも情報開示の一つとなります。
地域住民や患者さんは期待をもって来院することになるでしょう。
T看護師さんは、連携室のトップにこのたび就任しました。フィッシュ(シアトルにある魚市場から生み出された哲学で、①遊ぶ②人を喜ばせる③注意を向ける④態度を選ぶ、といった4つのコツからできあがっているものです。当初私は、フィッシュは療養病院で行えるものと考えていましたが、どのようなかたちでも思想を伝えることがフィッシュという思いを持ち始めてから急性期でも成り立つと最近は考えています)をもとにした考え方を取り入れながら関連各部署や職員全員が増患を誘導する活動をしています。
Tさんは看護師さんなので、地域の診療所の先生方とは、胸襟を開いた話をして紹介を促す活動にでています。
いずれにしても明るく前向き、想像力や美術的センスがあるTさんは、院内をまとめ、そして院外の連携先を増加させるだけではなく、患者さんも当院での治療を希望して来院するよう戦略だけではなく、詳細なツールにまで気を使い対処して成果をあげています。
なお写真はTさん手作りの紙粘土でできた医師に対するプレゼントです。100均で材料を買い、ご自宅でしこしこつくられたそうです。医師とのコミュニケーションをとるための小道具でもありますが、彼女はさらに、一生懸命ぼんぼんをつくり、準備を重ねています。
なお、その袋には
I am happy when you are happy(あなたが幸せなとき、私も幸せ).
と印刷されており、感動しました。
笑顔の素敵なTさんの、地域住民や患者さんのための、これからの縦横無尽の活躍に大いに期待したいと考えています。
なお、Tさんの左手には、17という数字が見えます。
これは、17時からホワイトボックスとの幹部ミーティングがある、という告知です。備忘のために、
書いたそうです。看護師さんのよくやることではありますが、それだけでほほえましく楽しくなりました…。