よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

スムースな組織運営を行う方法

  

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以前、病院で中間管理職勉強会をしました。

 

勉強会では、部署間、部署内コンフリクト(衝突)をどう解決するのかについて簡単に説明しました。もともと組織にはセクショナリズムや、自己利益優先という性格があります。これらを更に助長する事案の検討でした。

 

いくつかのポイントのなかから、もっとも理解して欲しかったことについてご紹介します。

 

「嫌いな人だとどこかで仕事が疎かになる。好きな人だと仕事は楽しいという思いを持つ人もいると思います。しかし、仕事は個人的な感情で行うものではありません。言うまでもなく好き嫌いに関わらず組織がミッションを果たせるかが行動の拠り所になるからです。

 

とはいうもの人の性として、何処かでそうした思いを払拭できないかもしれません。なので全ての職員は仕事で他人から好かれるよう力をつける。仕事の姿勢や態度、他から求められる人にならなければなりません。組織目標を達成するため、どうすれば、それができるかを考えましょう」と説明しました。

 

また「私がこの部署や部下を守るというリーダーの気持ちは大切ですが、組織は全体として機能しなければなりません。各部署の責任者も他部署との円滑な連携を意識した采配をとる必要があります。

 

極端ですが、自分の部署が良ければ(他部署はどうでも)いい、という気持ちに対しては、そもそも社会人としてどうか。他者の立場に立って物事を考えられる自分づくりを」と訴えました。

 

「他部署の誰々さんは仕事ができないから迷惑、と思ったことがある場合、なぜできないのか。ルールはあるか教育されているか、組織の配置はどうか、仕事量はどうか、自分達はそのために何をしなければならないのかと考えてみてはどうでしょうか。

 

自部署にも同様の課題があるかもしれないからです。全部署の責任者はそう考え、他部署が仕事に支障がないよう協力して仕組みの見直しや教育を体系的に行いましょう」

 

また、「なんで言ったことができないのかしら、と思う前に、言い方、説明の仕方、示し方、教え方、確認の仕方、自分達でできる仕事を他部署に押し付けていないか、自分達の仕事がうまくできていないのではないか等、自分(達)に問題はないかを考えるようにして欲しい」と話しました。

 

「皆が盛り上がって、楽しく、そして自分の成長を感じながら仕事ができる組織をつくらなければなりません。

 

まずは、さまざまな目標があるが、結果として適正利益を出すこと。適正利益は患者から評価されたことの証拠。

 

よい仕事を行えば必ず評価されるし、利益もでる。病院も安定的に医療を進めていくことができる。処遇の改善もできる。利益を求めるのではなくブランドを確立することが大事。結果として適正利益は確保できる。

 

病院を地域にとって永遠の存在にしていく必要がある、こうした目的を共有する組織であれば部署間、あるいは部署内のコンフリクトは生まれる筈はない」、という整理をしました。

  

  1. 厳しい環境において、地域により高い貢献をすることが自分の使命
  2. 今までにない質の高い仕事をすることで、必ず、すべては自分に戻る
  3. 悔いのない人生のために、病院での仕事を通して成長する
  4. 仕事はまずは組織人としての自分のためにするもの。自分の成長がなければ患者や利用者のためにも、組織のためにもならない。自己変革を前提として組織一丸となり成果をあげていこう

と、まとめています。

 

なお、現場でどうしても解決できない部署間コンフリクトや部署内コンフリクトはトップの介入による解決が必要になります。皆の力が一つになって、組織、そして日本の未来をつくります。頑張りましょう」

 

部署間、部署内コンフリクトはどのような業種においても同じように起こりうる課題。コンフリクトの解決を行うことで組織運営が円滑に進み生産性が劇的に向上することを知る必要があります。まずはコンフリクトの把握から始めると良いでしょう。