よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

カンボジア・プノンペンの病院視察

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我々が、中国(北京、上海)、韓国、香港など東アジア、そしてオーストラリアでの視察を経て、ASEAN10ヶ国の病院や介護施設を調査してきたのはいつもお話ししています。なかでも気になる国カンボジア。
 
カンボジアではやっと2018年に健康保険が機能し始め、いまでは公的病院もしくはNSSF(National Social Security Fund=国家社会保障基金)登録の病院・診療所を受診すると、診察費用等が健康保険によって賄われるようになったようです。
 
他の国々も含め、今まで未成熟だった医療が整備され徐々に国民の効用が高まる勢いのあるASEAN各国ですが、日本も未来をどのように切り開いていくのか懸命な議論が必要ですね。

 

以下は2016年にカンボジアの病院視察に行ったときの記事です。

 
「カンボジア、プノンペンの韓国系の病院に飛び込みで入り、話を聞かせてほしい、見学をといったら、マネージャーがでてきて見事に断られました。
 
ということで、それでは、看護師さん(責任者)写真撮らせて下さい的な話になり、撮らせてもらった写真がこれです。ポーズとるところからは慣れている感じがしますが。
 
カルテからみて、かなりの患者が来院していることが分かります。もちろん、中堅病院なので小ぶりで、たぶんカンボジアの医師が診察をしているのだと思います。

 

ポルポト政権のときに、知識人はすべて抹殺されているので、難を逃れた医師が診察をしているのか、その後に医師になった医師が診察しているのかわかりません。韓国人医師が診察しているのかどうかについても聞きませんでした。

 
日本のODAで建設したプノンペンの産婦人科病院は訪問しましたが、韓国はこのほかにも眼科や小児科など様々な病院を寄贈しています。中国は更に多くの病院や救急車を提供しています。日本は出遅れ感がありますね。
 
ということで、詳しい話を聞く事はできませんでした。この日の病院視察はここだけで終わり。
 

ところで、社会保険制度はあるもののうまく機能しておらず、カンボジアでは診療費が公的機関も含め、医療機関 によって診療費が異なると聞きました。診療費の差は医療の質の格差にも繋がるとのことです。

 

患者もお金がないと、医療サービスを受けられないため、薬局等で薬を買い治療をするとのこと。公的医療を廉価で受けられる香港ですら国民は健康維持のために日々努力していましたが、カンボジアはさらに日頃の健康管理が必要なのではないかと思いました。

 

日本のようにどこに行ってもどの医療機関でもフリーアクセスで医療を享受できる国民はある意味幸せと感じます。もちろんそのツケが社会保障費増に繋がり、ブーメランのように国民に帰ってきている現状を思い何とも言えぬ気持ちになりました。

 

なお、日本の北原先生がプノンペンにサンライズホスピタルを開業しました(2016年10月)が、医師免許をそのまま使えるため、多くの日本人医師によるクリニックが開業しており、現地で働く日本人にはとても便利なことも付記しておきます。

 

カンボジア。これからの国ですが中心部のすざましい開発が進み、プノンペンはまるで東京。ビル建設ラッシュです。活気がありました。また機会をつくり行きたいと思います。」