よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

前だけを見つめて生きる

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私を含め、自分ではじめに決めたことをやり通せない人は少なくないと思います。

 

どこかで妥協し、適当な着地点を自分でつくってしまうからです。失礼かもしれませんが、それはまるでアホウドリがどこからか持ち込んだ藁で巣をつくるようなものです。

 

海辺の風の強いところを避け、岩の間に巣をつくりはするものの、人が近づいてきても地表での動きが緩慢で捕殺が簡単に行えたことを、名前の由来としているアホウドリは、容易に乱獲されてしまいました。

 

アホウドリはながく保護されていたにもかかわらず、その効果は及ばず、今では絶滅危惧種となっているようです。 

 

それにしても人間の悪行のなかで、アホウと命名されてしまうのはあまりにも気の毒ですね。

 

ひるがえって私達はどうなのでしょう。迫る危機を前に、日本がなぜここまで来てしまったのでしょうか。全てを少子高齢化のせいにはできません。それは政治の間違いなのか、価値観の変容なのか、自然の摂理なのか、日本人の穏やかな属性が影響しているのか、よくわかりません。

 

ある程度の経済成長を遂げたものの、その後さまざな問題により可処分所得が30年前を下回っているにも関わらず、デフレなので何とか生活できると安心してしまったのでしょうか。  

 

全体としては明らかに勢いや情熱をもたない人々の国になったと思います。もちろん、私も同類であり壁を乗り越え前に進めていないもどかしさがあります。

 

初期は失われた10年でした。そして次は失われた20年、そして30年を経過しています。

 

このまま景気がいきなりV字回復をすることへの期待は薄く、コロナも含め先がみえない状況は変りません。少子高齢化が益々顕著になるなか有効な手立てなく、国民一人当たりの生産能力は益々低下し先進諸国では最下位となっています。

 

 勢いのある事業家は輩出されましたが、大きな日本発のイノベーションは起こらず、これだけ長い間、振り子は一方にしか振れませんでした。株価は3万円を越えたものの、逆に触れる(景気が良くなる)ことが一切なかったことはとても受け入れがたい状況です。

 

厳しい現実に直面し世界が大きく変わろうとするなか、世界で当たり前になる新しい価値観をなかなか受け入れない国民や企業が増え、失われた40年へ向かっているとの指摘もあります。

 

私たちはそろそろ汚名を返上しなければなりません。

 

世界中から見放される前に、一人ひとりが自分のいまの位置で、これ以上ない努力を重ね、難局を乗り越え成果を挙げる。

 

学習し知識をつけ、仕事で活用し、工夫に工夫を重ね、一つでも新しい改善や手法をつくり出す必要があります。時間を浪費せず価値創造に喜びを想う自分に成長しなければならないのです。

 

日本を救うのは既に政府ではなく他の誰でもない、自分でしかないことをすべての意識ある人々が気付く時期がきています。

 

前だけを見つめ多くの人々が動き始めれば、必ず環境は変わり、さらに組織が、そして地域が変わります。その変化は瞬く間に周りに伝播して広がりをみせ、アミーバのように拡散して、沈没しつつある日本をきっと覆い尽くすときが来ると思います。

 

リーダーなき改革の時代には、一人ひとりが自らの肉体と精神の強力な支配者となることを求められるのだと改めて認識しています。

 

先ずは少しでも自分が変われるよう、自分自身を見つめ直してみようと考えています。