よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

リーダーの条件(2)

(1)使命感
 使命感は、以前から説明しているように、いまの仕事において何をしていかなければならないのかについて自分なりの目的をもつことです。毎日あわただしく働くことが人生ではありません。何のために働くのか、何をしようとしているのかについて充分に自分の考えを整理することが必要です。少なくとも嫌いな仕事をすることほど虚しいものはありません。仕事に対する意欲が生まれてこない、内心いやでいやでしかたがないけれども、生活のためにしている仕事である、という思いをもった者がリーダーになったとしても、真のリーダーとして行動できる筈もありません。
 
 高い能力をもち嫌いな仕事でも高い成果を短期的にあげることはできるかもしれません。しかし、それは長続きしないでしょう。今の仕事が好きなのか嫌いなのか、嫌いなところがあれば、それはなぜなのか、どうしたら好きになれるのか、ということについて常に考えていく必要があります。
 
 仕事について、いつもは嫌ではないけれども、今日はほとほと仕事が嫌になったということもあるでしょう。しかし、そうした感情もつきつめていくと、結局は自分に与えられた試練であることがわかります。人は毎日毎日1日すぎるたびに人生を短くしていきます。最後まで懸命に生きることができれば、必ず成長することができますし、他人のために何等か役に立っていることは間違いありません。

 だから仕事が楽しいという領域にまで自分を高めて行くことができれば、これほど幸せなことはないと考えています。

①この仕事を通じて何を成し遂げていくのか
②自分は何をつくりあげて成長していくか、
③他人に対してどう役に立っていくのか
④社会に対してはどう貢献できるのか
といったことについて考えを持つことができる人がリーダーとしての資格をもつことができると考えます。
 それらについての考えをもつことによって使命感が生まれます。
この仕事で絶対に成果をあげる、という強い意思をつくりあげなければなりません。
この仕事が自分に与えられた仕事である。今の自分にもっともふさわしい仕事である。この仕事を通じて絶対に自分が思ったことを成し遂げていくんだということを強く意識する必要があります。


(2)職責及び実施事項の認識   
  組織のなかで、自分がどのような仕事をしなければならないのか、どのような役割をもっているのか、何をしなければならないのかについて考えなければなりません。この部分が明確でなければリーダーシップをとることができません。リーダーとしてどのような仕事をしていけばよいのかについての明確に意識するとともに、それらを理解する必要があります。職務権限や職務分掌といったものを作成し、それらを頭に入れるとともに、マニュアルを網羅的に(あますところなく)作成し、仕事を把握しなければなりません。
 
 仕事全体のイメージを常に行うことが必要です。まず、仕事のながれを頭のなかで追っていきます。イメージできない人は、まずはこうしてこうしてこうする。そうすればこうなって…というように仕事をすべて自分の頭のなかで思い起こすことができるまで紙に仕事の手順を書き出し、訓練する必要があります。
おはよ~といって会社に入る、あるいは会社に一番で入る、さまざまなシーンがあるでしょう。そこからはじまり最後に鍵を閉めて変える、あるいはおさき~といって会社をでるまでに何をしなければならないのかについてイメージをつくれなければ、何をすればよいのかということについて、考えることができません。寝てもさめても会社の仕事、成果をどうあげるのかについて思い続ける、といった思いがなければリーダーを続けることが困難です。仕事が一番できるのがリーダーであるとすれば、リーダーはイメージをつくり、いつもそのイメージのどこに問題があるのかについて考え続けられる人でなければならないということを言っています(続く)。


「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」