よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療相談及び地域連携の現状(3)

(3)相談室としての活動(ディスチャージをベースとして)
貴院では、病棟からあがってきたオーダーを2人のSWさんがそれぞれ管理していて、それらをまとめてはいません。また整理して、それを一覧として管理するとこまでは進んでいません。
急性期病院として存在していくのであれば、
①在院日数の短縮

②利用率の向上
がテーマになります。

したがって、そのための退院支援計画(ディスチャージ)があり病棟とSWさんがミーティングをしたうえで、パス日以内の早期退院に向けて対応していくことが適当ですし、増患に向けて地域診療所や病院、そして施設との関係を強化するための活動を行う必要があるのです。

現状においては、患者さんの家族からは在院日数を延長して欲しいという要請が、そして病院からも、10:1のなかで21日ぎりぎりまでひっぱるという政策が医業収益を増加させるポイントであるとして、そのような対応が行われようとしています。

当面は、そのかたちのなかで病院収益を向上させるという政策をとることが必要であると考えています。

しかし、できるだけ早期に自院のポジションの方向性を決定し、それに合わせた活動を行える体制を整備していくことが必要となります。
 
貴院が地域密着型の病院として、循環型医療や介護を目指す必要があるとすれば、より地域における他の医療機関との関係や施設をはじめとした介護事業者とのかかわりを強化しなければなりません。

また、自院がどこまでやるのか、できないのかについても常に明確にしておき、できるものはできるようにしていくといった経営をしていく必要があります。紹介をたくさんもらってもできないものはできないわけであり、
①いまできる治療は何か
   
②これからできる可能性のある治療は何か
について常に検証し、議論していくことが必要となります(続く)。




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