よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

メディカルホームというもの(1)

 病院のベッドが少なくなるのは、欧米のケースをみていれば明らかです。今は自然に高専賃が増加していて、国交省ではなく厚労省までもが規制をするようになってきています。医療法人の付帯事業としての高専賃は、自治体によっては=特定施設であり、許可されないことから東京ではまったく実効性のないものとなっています。

 しかし、高円賃についても、今年の5月から規制が強化され、結局18平米+7平米の要件がつくため、その条件を満たさないケースでは結果的にシルバーマンションという名前になるのでしょうか。結局は高専賃に収れんしてくるのでしょう。

 しかし、実際に医療依存度が高い患者さんが利用者になるケースが増えてくれば、介護型の高専賃では対応ができなくなると考えます。私たちココチケアでは、医療依存度が高い利用者が増加することを前提として、医療を中心として高専賃、メディカルホームをどれだけ機能強化するのか、数多くつくっていくのかについて、挑戦をすることになりました。

 まずは自分たちでも独自で医療型高専賃、すなわちメディカルホームをたくさんつくります。しかし、自己ポジで数多く展開することには限界があります。時間が間に合いません。病院は26年から30年の間には絶対的に淘汰され、業態別での整理が完了してしまいます。

 それまでの間にナレッジをつみあげ、あたかも病院のようなメディカルホームが多数できていなければなりません。医療の知識をもったヘルパーが医療をするのではなく、しかし、迅速に気がつく、すぐ対処できる。これが重要です。疾患と主訴、ADLの変化についていけるヘルパーが必要です。もちろん看護師さんは急性期対応ができる、ヘルパーを指導できる看護師さんが必要です。

 結構有料老人ホームの看護師さんと話をすることがありますが、意外と循環器についての知識がない看護師さんもいらっしゃいます。

 在宅の患者さんは循環器疾患が70%、それに整形疾患がプラスされ、さらに皮膚、眼科、峻別するのであれば精神といった具合に医療必要度があがると、ある先生がお話されていました(正確にお伝えできませんが…)。

 PEG系や寝たきり系の患者さんだけではなく、常にスタッフが勉強している、そしてどのような状況であっても対応できる、といった状況をつくりあげていく必要があります。実際は介護型高専賃と医療型高専賃の間で、多くの施設は運営を強いられていると思います。

 ただ、これから先は医療依存度が高い患者さんの利用者、あるいは入居者が増加することは間違いがありません。

 高齢者が増加するから高専賃が増加するのではない。患者が病院から出されるので高専賃が増加する。こんなイメージをもっていくことが必要です。メディカルホームが市民権をもつのも時間の問題であると考えます。

なお、今回ココチケア2号店をつくりましたが、あえてケアリビングとして近所にあるメディカルホーム1号店のサテライト的な位置づけにしたネーミングをしています。しかし、もちろんサテライトですので、近隣にある診療所と訪問看護ステーションを迅速に利用することができます。念のため…。