よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

成果を挙げる3つの行動様式

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 エレベーターとエスカレーターを観察すると、二つにはいくつかの違いがあることに気付きます。

 

エレベーターは目的の場所を決め、一気に駆け上がれますが、エスカレーターは環境を眺めながら、どこでも下りたり乗ったりと柔軟に対応できます。

 

速度はエスカレーターのほうが早く優れていますが、環境変化を認識できないという視点からは劣っています。エスカレーターは比較的ゆっくりしていますが、こんな所にこんなものがあったんだと、あれこれ情報を仕入れながら意識を高め、ターゲットを変えるということに長けています。

 

エレベーターでも途中で降りて、目的意外の場所で何かを始めることは可能ですが、外が見えていないだけに、いきあたりばったりという状況を受容れる必要があります。また、エレベーターはエレベーターに多くの客が乗っていると、次のエレベーターが来るまでの時間待たなければならないリスクもあります。

 

エレベーターは客が途中どの階で乗るか降りるのかによっても、自分の降りる時間は影響を受けます。エスカレーターは、ずっと動いており、順番をあまり待つこともなく、他の客に邪魔されることもなく上に上がれます。

 

何度も乗り降りができるということについてもエスカレーターが便利ですね。

 

エスカレーターのほうが、スピードは劣るものの、エレベーターモデルよりもアベレージ的には効用が高いのではないかと考えます。

 

人間の行動様式も、エレベーターなのかエスカレーターなのかに区分できます。

 

経営はスピードであるといわれます。ただ、成功する企業は一足飛びに成功するのではなく、目標を決め、仮説を立てて行動するものの、はじめから全てを見通せるわけではありません。失敗したりうまくいきながら徐々に成功の道を捜し、目標に到達する、ということを考えると、エスカレーターモデルによって行動することがよいのではないかと考えています。

 

目的が明確で間違いがなければエレベーターモデルですね。

 

いったい自分はどちらのモデルなのか、どうあるべきなのかについて考える必要があります。

 

ただ、何をするのか、どのように行うのかにより、どちらを採用するのかを変えて対応することが良いと思います。

 

テーマが明確なときにはエレベーターモデル。方向や目標はきまっているし、やることも決まっているけれど、まだビジネスモデルに不足するところがあるな、というときにはエスカレーターモデルでの対応が有効という結論です。

 

エスカレーターモデルでは、上にいくことは明確だし、到達するフロアーに目的のものがあると分かりつつ、各フロアーの様子をみながらマーケットを予想したり自分のやるべきことへの参考にする。場合によれば目標を変えることもあるという具合です。

 

何かことを起こすときに、「今回は、エレベーターかエスカレーターのどちらを採用するのか」について、イメージしてから何かを始める癖をつけると良いですね。

 

そうそう、自分の足で一歩ずつ前に進む階段モデルもあります。結構力はつくかもしれませんが、なかなか陽の目をみないかもしれませんね。ある程度までは階段モデルでステップアップ、成果があがればエスカレーター、最後は一気にエレベーターで、という行動もあるかもしれません。

 

これらモデルの特性を理解し現状認識した上で、

今はどのモデルを採用するのかを決め、やるべきことをしっかり行い適切に行動して成果を挙げていく必要があります。