よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

介護事業者への提案

 ホワイトボックスがコンサルティングしている診療所が通所リハを運営しています。オーナーは常に伝承されているノウハウを標準化していきたいと考えていましたが、今回マニュアルを作成することになりました。弊社スタッフが、説明した、超簡単にマニュアルを作成する手順です。もちろん、詳細なノウハウは約200ページの資料により提供されていますが、スタッフに示す資料として作成されたものが以下のものです。

1.はじめに
   簡単で、かつ網羅的にマニュアルを作成し、徐々に制度を高めて行くという方法に
により、院内のノウハウを整理したり、業務改革につなげていく必要があります。

2.手順
 (1)現状の業務をすべて棚卸する
   ①ヒヤリングにより書き出す
   ②業務項目スタッフに紙に書き出すよう依頼する
(2)現状のマニュアルをすべて収集する
   今、現存するマニュアルを集めて整理する(WBでの実施)
 (3)ない業務についてマニュアルを作成する
   ①手順
   ②留意点
   ③必要な知識
   ④本来の接遇
  を書き出す。これは現場のスタッフに書いてもらうか、WBが整理します(但し、表にWBがでなければ作業をすることができません)
 (4)現状のマニュアルを(3)と同じフォームに書きかえる
 (5)マニュアルが実務に合っているかどうかを確認する
 (6)改善ポイントを発見し修正する
 (7)マニュアルの研修を行い、まず、マニュアル通りに作業ができるよう教育する

3.まとめ
 マニュアルは、介護事業所の憲法であり、ノウハウです。これを基礎として運営管理を行うことや、教育を行うための道具とします。マニュアルがなければ、無秩序な仕事が忙しく行われているなかで、引き継ぎやノウハウの進歩を管理していくことができません。
 ある意味重要な仕事になりますが、ここをしっかりとしなければ、これからの介護事業所の管理はおぼつかないことをご理解下さい。

 医療も介護も生産性を向上させるのは、人です。人がスキルを高め、仕事の仕組みを常に見直す分化が組織になければ、組織の発展は望めません。そのための基本的なナレッジマネジメントツールがマニュアルです。

 まずは正しいマニュアルが作成され、常に改定され教育に使われているのかが組織活性化の重要な課題になっていなければなりません。