人の価値観はそれぞれである。自分の思い通りにならないことや、自分の進む道を阻むものもいる。また、理解しあえないと思える者もいる。
しかし、彼らを自分の見ている一面的な現象をもって解釈することはナンセンスである。
自分の知らない彼らが、自分の思う彼らでないことは明らかである。
24時間、ともに時空を共有するのではない限り、不確かな思いに囚われてはならない。
そもそも自分が軸であり、正しいと考えること自体に誤りがあることもある。
常に客観的に何が正しく、何がそうではないのかについて思いを持ち、背筋を伸ばして自分を他者と同じように俯瞰する度量が必要だ。
いまこそ日本人一人ひとりが手を取り合って、自分たちの未来に、そして国の将来に思いを馳せなければならない。
ここにあるのは現実で夢ではない。未曾有の破壊が日本の行く手を、私たち国民の行く手をさえぎっていることを冷静に認識し、だからこそ乗越えるための力強い生きざまをみせていく必要があるのだと思う。
そのためには、周りの皆を信じ、信じ合い、しかし厳しく律し合いながら皆で新しい価値をつくり上げていかなければならない。
強くなろう。自信をもとう。優しくなろう。そして行動しよう。価値をつくりだそう。影響を与えよう。
すべての医療人が誇りを持って、自らの力を信じ、他者を信じ、人の可能性を信じて協同し、新しい自分をこの機会に産み出していかなければ、間違いなく日本は危機的な時代をながく続けなければならない。
自分を戒め、自分を鼓舞し、いまこそ闘いを始めるときだと、私はいま思う。