整然とした金融街である中環(セントラル)と雑然とした商業のエリアである尖沙咀(チムサツイ)にはどちらにも活気があります。
ロンドンのシティの一部を切り取ったような金融関係のビルが林立さるセントラルや隣の金鐘(アドミラルティ)の一部には外国人が多く、書類のファイルを手に持ち歩道を颯爽と歩く彼らの姿には勢いがあります。
チムサツイにも、アジア・アフリカ系の外国人は多くいます。彼らはそれぞれさまざまな実業を行い、街のなかに溶け込んでいます。
海を背にしてペニンシュラの反対側、チムサツイにあるネイザンロード右側には、宝石や時計、薬局、衣料品の店が並んでいて道を右に曲がると更に商店街が広がるつくりになっています。
この地域には、さまざまな人種が闊歩し、たむろし行きかい、多様な言語が飛び交い何かをつくりだそう、一旗あげようという勢いが充満しています。
どのエリアにも日本人の姿はあまりみかけませんが、金融と貿易、そしてITの街でもある場所の進化は留まることを知りません。
街自体がどんどん成長しているばかりではなく、アジアにおける重要な都市として中国にありながら中国ではない、中国に似ていながら独立であり、自由主義であるところが不思議です。
最近は香港から中国や他のアジアの国々との連携が行われ、さらに経済圏を大きくしているようにみえます。いろいろなことがある日本ですが、まずは一人ひとりが目標をもち、活気をもって力をつけ、成果をあげるために活動していかなければならないといつも考えます。
ただ、香港には税率が低いだけに、社会保障制度が整備されておらず、すべて国民の自己責任。なので、懸命に生きなければ生きていけない国でもあります。日本はその意味で恵まれており、必死になれる何かが欠けているのかもしれません。
私たちに何が欠けているのか、よく考える必要があります。整然と何かをするのではなくてもよい、何かを「ざわざわつくり」出し、整理はそのあとでよいのではないかと思います。まずは必至になり動き考え、そして動く繰り返しを皆で始めることを、いま期待しています。
という記事を2011年に書きました。いまから10年前のことです。コロナが発生しニューノーマルの時代が到来したと言われていますが、香港国民にとっては、中国の政策転換もコロナに匹敵する環境変化だと思います。香港を大好きな私は、香港が今までの活気を取り戻し、元気になって欲しいと強く願っています。