よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

新患増患のための活動強化

病院であっても、診療所であっても患者が来院しなければ、継続して地域医療を行なうことはできません。


新患を増患することが医療機関の重要な戦略です。どのようにすれば新患が増加するのか。常に医療機関は考え続けなければなりません。
患者はどのように病院や診療所を選択するのでしょうか。
 
病院でも診療所でも、何よりも医療の質が高い、評判の医師がいることが基礎となりますが、医師だけではなく職員全員が患者に対して適切に行動する、クレームがない、医療機関全体のシステムがしっかりとしていて治療の目的を容易に達成できるというのも選択される条件です。
 
 ・医師が働き易い環境をつくりあげること、

 ・病院であれば一定程度のリニューアルや最新の医療機器を少しずつ整備していくこと、

 ・連携を行うこと、

 ・院内外でセミナーを頻回に開催すること、

 ・プロモーションをすること、

 ・シャトルバスを用意し送迎を行うことで利便性を確保することも重要ですし、

 ・付随的には近隣にあることや、

 ・交通の便がよいこと、

 ・設備が整っていること、

 ・アメニティや診療環境が綺麗であることなど、さまざまな選択の基準もあります。
 
但し、評判の病院であるからといって外来で長い時間待たされるのも考えものです。例えば会計の時間を短くする工夫を行うことでの待ち時間の短縮や、待ち時間をながく感じさせない工夫が望まれます。上記を総合的に実施しなければなりません。


なお、病院で待合室に予約外の患者が多く残っているときに、診察室を臨時に開けて病棟から医師が応援にきてくれるという自治体病院もあり、高評判を得ています。
 
診療所であれば早朝や夜間診察時間延長といったことも視野に入れる必要があるでしょう。
さらに、診療所では院長が地域の活動に参画したり、自治会や老人会、学校、企業の担当者と懇意にするといった地元密着型営業戦略もあります。病院も含めてボランティア活動を行うこと、盆踊りなどのお祭りに参加する、寄付をするといった日々の地道な活動も有効です。
 
少し変わり種でいえば、料理教室をつくり健康レシピを提供すること、レストランと提携してローカロリーメニューを提供する、さらには食事をしながら医師の健康相談のセミナーを行うという診療所もあります。
 
こうして列挙すると増患のための方法はさまざまあります。できることから一つ一つ着手することが地域医療を護るために必要です。地道に行動していくことが求められています。