組織が優位に立つためには、他に勝る組織の特性があることが必要です。
優位性は、組織が提供する商製品サービスが他と比較して、優れている点や性質のことをいいます。優位性は、品質、価格、迅速性等で表現できます。
品質は商製品サービスにより、さまざまな意味を持ちます。
飲食であれば、おいしい、きれい、香りがよい、新鮮、安心、やすらぎ、丁寧さ、環境、ブランド等が品質として表現されるし、アパレルであれば、格好いい、嗜好、デザイン、ブランド、素材、縫製等が該当します。家電であれば、機能、デザイン、特許、使い易さ、色、大きさ、軽さ等、住宅であれば、利便性、使い勝手、収納、高級感、材料、デザイン、アフターマーケティング(販売した後のケア体制)等などさまざまです。一言ではいいつくせない状態をいうと考えています。
これらが単一若しくは複数で提供されることにより、必要と思う顧客は満足し喜んで商製品サービスを購入します。
優位性について品質を捉えるときには、顧客のニーズがどこにあるのかを把握したうえで、何が他と比較して優れているのか、優れていないのかを列挙し、不足するところをどのように補えばよいのかを考える必要があります。
さて、医療や介護です。医療や介護ではどのような要素が価値を生み出し優位性があると考えられるでしょう。
医療においては、やはり治療が適切かつ安全、迅速に、またアウトカム(結果)が評価されることになります。必要なことは、チームによる彼らの思いに裏付けられた高い技術提供です。
介護でも、必要十分な対応ができるシステムやスタッフにより安楽で安全なケアを行うことに価値がうまれ優位性の対象となります。これらは、当たり前のことですが、よくよく考えればとても深いテーマです。
医療や介護を行う上で、合理的なルールや仕組み、業務フローや手順、機器や道具、評価や教育、優れたスタッフやリーダーシップが優位性をもつ要因になります。
それぞれの組織で、これら要因は具体的にどのようなものか、また優れたリーダーシップには何を求めるのか、そして前向きで、何かを行うときに真理を知り、行うべきことを行えるスタッフとはどのようなスタッフを指すのかを考える必要があります。
なお、これら要因を生むためには適切な組織運営が必要です。
- 理念が具体化され、ビジョンとなり、マーケティングの結果適切な戦略が立案され、中期経営計画となること、
- それらは年次の経営計画に落とし込まれ、各部署の行動計画により具体化される目標として部署単位、個人単位にまで落とし込まれること、
- 課題は、ガバナンスにより解決されること
で始めて優位性を生む要因がつくられることを知らなければなりません。
一般の企業であれ、医療も介護でも原理原則を徹底した組織は強く、優位性を提供できます。
多くの組織があるべき形で活動し、革新が行われ、優位性を生む。その結果として地域や日本が活性化すること、そしてそれらがアジア各国に伝播していくことを期待しています。