よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

組織の優位性とは

 組織が優位に立つためには、組織の特徴があることが必要です。組織の特性は、商製品サービス、システムが他と異なることにより区別されます。その優位性は、商製品サービス、システムの内容により異なりますが、共通することは価値を提供できること。価値は消費者が、この商製品サービス、システムは他の同様のそれらよりも優れている、と考えることにより決定されます。
 
 それが価格対品質なのか、価格対節約される時間なのかということになります。品質は人間の五感に依存するものや高い機能であったりしますし、節約される時間は他であれば得られないスピードで成果を得ることができるものであったりします。この両者が掛け合わさればさらに価値は大きくなり、優位性が高まることになります。
 
 例えば飲食でいえば、美味しい、美しい、楽しい、香りがいい、感じがいいなどですし、商品であれば、使いやすい、出来栄えがよい、スタイリッシュである、軽い、重い、大きい、小さいなどが対象となります。そこで、医療や介護です。医療や介護には、上記にあてはめた場合、どのような要素が価値を生み出すのでしょうか。
 
 医療においては、やはり治療が完璧に行われること。それもスピーディにというところが価値を生むのでよう。アウトカムの成果が評価されることになります。したがってそのために必要なことは、医療人の思いに裏付けられた高い技術の提供であり、その帰結としての接遇であることになります。介護においても身の回りの世話の質において、必要十分な対応ができるシステムであったり、スタッフが存在することに優位性をもち、特徴となることだと考えています。
 
上記は当たり前のことではありますが、よくよく考えればとても深く、それを成し遂げるためには、組織に必要な仕組みやシステム、それに血を通わせるリーダーの存在、そしてリーダーにより前向きになったスタッフの努力が必要です。いくら良いシステムがあってもそれを活かすことができないトップであったり、トップが懸命に語り率先して動いてもそれを善しとして、意気に感じて動くことがないスタッフが集まっているのであれば、意味がありません。もちろん、良いシステムがない、リーダーもいない、しかしスタッフが盛り上がっているだけということでも、なかなか成果をあげることができません。
 
 良い仕組みやシステムはどのようなものか、また優れたリーダーシップには何を求めるのか、そして前向きで、何かを行うときに真理を知り、行うべきことを行えるスタッフとはどのようなスタッフを指すのかについて、各組織が真剣に考える必要があります。
 
 ちなみに良いシステムがあれば、理念が具体化され、ヴィジョンとなり、マーケティングが実施され、戦略が立案される。そしてそれが中期経営計画となり、年次の経営計画に落とし込まれ、各部署の行動計画により具体化される。部署単位、場合によれば個人単位にまで落とし込まれた課題は、組織のガバナンスを行うコミッティによりその進捗が管理され、組織全体としての実行支援が行われる。あらゆる戦術が駆使されるなか、定性的、定量的な管理がKPI(先行指標)により行われ、結果として到達点に辿りつくことができる。
 もちろん、他の2つの要素を失念してはなりません。
 
 これは理想ではなく、多くのステージが高い病院では当たり前のように行われていることです。
 原理原則を徹底した組織は強い。一般の企業であれ医療機関であれ、診療所であれ、同じです。多くの組織があるべき形で活動し、革新が行われ、当該組織、地域、日本が活性化するとともに、それがアジアに伝播し、そして世界に広がることを期待しています。