よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

四位一体の改善を行うために

 

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病院は従来と同じ経営のやり方を続けるだけでは、医療を維持できない時代になりました。医療機関は常に進化し続けなければなりません。医療環境は、医療制度や経済情勢、人口動態や地域住民の動向により常に変化しているからです。

 

増患や単価アップ、医療の質向上による生産性向上やコスト削減(=コスト絶対額削減+単位当たりコスト削減)を図れない医療機関は、ながく地域医療を継続することができない状況に置かれます。

 

業務改善が必要です。業務改善は、業務の枠組みを変えたり、業務のやり方を変えて生産性を向上させる(付加価値を高める)ことをいいます。

 

前者であれば、例えば院内の診療活動だけではなく、在宅医療や介護事業に参入すること。後者はより質の高い、そして効率的な仕事のやり方に変えることや教育でスタッフの力をつけること等を対象とします。後者をまず徹底します。

 

仕事をより高い生産性をもって実行するためには、業務の棚卸を行い、それらについて手順、留意点、必要とされる能力や接遇を書き出しマニュアルを作成することからスタートします。

 

目に見えない仕事を文章化することで、どこに不効率や無駄があるのかが見えてきますし、マニュアルを基礎として仕事をする(マニュアル運用)ことで、どこを変更すれば成果が挙がり易くなるかが判るようになります。

 

リスクマネジメントや感染症対策等の活動の結果判明した課題解決、そして(急性期では)クリティカルパス(標準治療工程表)によるバリアンスマネジメント(標準からの逸脱を分析し業務見直しを行う事)による結果もマニュアルに反映し、教育につなげます。

 

「うまい」「はやい」「やすい(合理的に)」という3要素を拠り所として業務改善を行い、結果をマニュアルに反映し、それを教育することで、新しい仕事のやり方を導入し個人の技術技能を高められます。常に改訂されるマニュアルを職場内教育により周知徹底することで、生産性向上(単位当たりコスト削減)を得て高い成果をあげることができるのです。

 

マニュアル、リスクマネジメント、クリティカルパス、教育の4つをうまく連携させ活用することを我々は四位一体(よんみいったい)の改善といっています。これらを有効に活用することが必要です。