よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

療養型病院はどこで療養するんだろう

 療養型病院は、ご承知のように介護病床は平成23年で廃止。また医療病床は、医療区分によって収入が激減といったかたちで多くの病院が経営の危機に瀕しています。

 一般病床への転換を図るにしても、この看護師さん不足ですよ。医師もいない。麻酔医もいない。といった状況のなかで、基準を満たしていくのはとても大変です。それよりもなによりも急性期の患者さんがたくさん呼べなければ結局のところ収益はあがらずコストが増加。利益がでない。キャッシュはない。といったことになります。

 一般病床にすれば、医療機器の購入機会やリースの機会も増えるでしょう。しかし、その返済ができないということにもなりかねません。
 
 介護病棟は介護施設に…、ということですが、病院のある病棟だけが優良老人ホームになるといっても、水周りは、お風呂は、共有スペースは、個室は、食事は病院とは違うものを出す必要もありますよね。ヘルパーさんを雇用して…。病棟が階毎ではなく、つながっていたらどうするのか、などなどいろいろな問題や課題があります。閉鎖ということになれば、人員を他に転用するということも考えることはできますが、やっぱり慢性期と急性期、介護型と医療型それぞれの仕事をガラっとかえていかなければならいないことも確かです。

 いま依頼を受けて健全化のための企画書を会社で書いていますが、ふと療養型病床のやすまるところはどこか、どこで療養するんだろうと医療制度改革のすざましさをいまさらながらに感じていたところです。家に帰ります…。私も家で残りの仕事をしなければならず、今晩療養する時間はなさそうです。

「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」