よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

はっきりいって病院のマネジメントは脆弱です

 商社を皮切りに、化学品、鉄鋼、通信、金融、建築、不動産、重電、メーカー、遊技場、飲食、流通、アパレルといろいろな企業の監査やコンサルティングの場面で仕事をしてきました。組織について、いろいろな観点から、そして事業についてさまざまな視点で、監査だけではなく、税務、会計、原価計算、建設業オペレーション、マーケティングマーチャンダイジング、戦略立案等々に関与してきました。

 そこにある組織、人、仕組み、制度について、そして株式上場のために会社が内部体制を整備し統制や牽制を整備する、そして組織をつくりながら成長する、という場面にも居合わせてきています。
 
 全体を鳥瞰すると、そして比較すると、そして吟味すると、医療そのもののノウハウや質については相当の進化をしてきた医療であっても、病院のマネジメントについては脆弱であるところが多いということも事実です。

 人事、戦略、動機付けからはじまり医療現場のマネジメントツールの開発や管理会計による管理、キャッシュフローマネジメント等々、こうすることが適当であるというプロトタイプがいままではなかったのではないかと考えています。その理由は沢山あるでしょうが、別にも書きましたが右肩上がりの診療報酬体系に慣れており、業種の特殊性もありガツガツしなくとも利益がでることが長かったたため、どこから手をつけて良いのか分からず、手のつけようがない、ということがその理由であると考えます。

 ノウハウや、スキルをもった人材、あるいは彼らを育成する教育をはじめとした仕組みづくりができていないというのが本音でしょう。絶対に他の業種に追いつくことができると思います。体系的、かつ迅速に必要な作業を開始することが求められています。