朝6時すぎの駅はとても賑やかでした。休みの始まりの朝ということもあり、ワクワクした人々の息遣いが駅を満たしている感じがしました。
思い思いの荷物を背負い、あるいは手に持ち、また引きながら、笑顔で彼らはエスカレーターに足をのせ、そのまま吸い込まれるように、ホームにあがっていきます。
彼ら一人ひとりの話し声や叫び声が、一つひとつ判別できない塊(かたまり)となって、明るい空気に染み込んでいきました。私も今日は仕事がないという開放感もあったのか、引きづられて楽しくなり、早朝の新幹線にスキップをしたい気持で乗り込みました。
席番と東京行きのチケットを見比べながら大きなシートに座ると、新幹線は発車の合図とともに動き始め、瞬く間に速度をあげていきます。眩しさに目を細めながらふとみると、窓の外には太陽も山から少しだけ顔を出したかと思うと、いまこそ走りゆくすべてのものを照らしていこう、という勢いで空をのぼり始めていました。
発する陽光は、煌びやかに私の顔を暖めています。陽の光が私をオレンジ色に包み込み身体と心を照らしているのです。陽の光が過去を際立せ、未来を照らしてくれているのがわかります。
あー気持ちいい!私はほかの人に聞こえないようにほんとに小さな声を出してつぶやきました。
太陽があるお陰で自分はこうして生きていける、希望をもつことができると、ふと思います。
生かされている自分達には何ができるかを考えることは太陽から暖めてもらったお礼であるような気がします。太陽は私をせっつきはしないけれども、まだまだやるべきことができていない自分が恥ずかしくて、そう思ってしまいます。
生かされていることを心底から感じること、社会に感謝し恩返しすると決めることが当たり前であるのを、陽の光は不思議と感じさせてくれる存在であることが、今日もしっかりと確認できた気がします。
陽の光に包まれる心地よい感触を心に収め、これからも明るく生きていきたいと思います。