よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

檻の中の苦悶

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 先がよくわからない国になってきました。いまさらではありますが、これから日本がどのような戦略により国をつくりあげていくのかについての明確なモデルがみえてきません。結局のところ無駄を排除することができない日本であることも理解でき、何を期待すればよいのかについてもわかりません。

 そもそも組織も同様ですが、マクロ的にみて問題がみえていたとしても、それを解決していくためには気の遠くなる時間がかかります。何かをひとつはじめるにしても、現場の意見を聴取し、それをとりまとめ、あるいはさらに調査を行い、実態を明らかにしたうえで、適切な解決策を出し、それをスケジュール化することで…といった具合に、さまざまなプロセスを経なければ問題を解決することができないと私は肌身で感じて仕事をしています。
 
 国レベルで早急なそれを求めるのは土台無理があるということなのでしょうか。しかし、期待が大きかっただけに、早く成果をみたいという焦燥が先立ってしまうのかもしれません。自分たちのことを考えればそれが荒唐無稽なことは理解できているにも関わらずです。

 空港にいる、あるいは空港を使う頻度が多い私にとって、空港までの世界は抑圧された環境です。この檻のように見える通路を経て、飛行機にのり他の地域に行く、ほんの少しだけ心や肉体が空間に解き放たれるという思いがあります(ガラスには檻に入っている私の姿がくっきりと写っています)。


 そしてしばらくしたのち到着地に着けば、また檻の中に収監され、目的地に向かう…。

 いろいろなものに拘束され、多くのものを背負いながら生きているなかで、本当に心身ともに痛めつけられているときには、ふとそんなことを感じたりします。

 いまの日本の状態もこれだと感じています。
 同じテーブルで議論することではありませんが、私たちは、もっとポジティブに、そして楽観的に現状を俯瞰し、大きな希望と夢をもって進んでいくことが必要だと思います。緻密な計画を立て、厳格に行動する。

 そしてあるときには弛緩し、しかし全体としては常に緊張しながら目的に向かう。そうしながらも自らを鼓舞し進んでいくことができる者だけが、魂を解き放たれた世界で、縦横無尽に成果をあげることができると考えます。

 目の前にあるようにみえる檻は、実際には存在しないのだと思い直しています…。