よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

窓からみえる景色は平和に満ちて

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 医師面談の合間に、ふと振り返ると、窓の外には地方都市の郊外の風景が広がっていました。私たちは毎日移動し、地方を転戦することが多く、その土地土地の気候や風景、そしてその地域独特の文化や風土に触れる機会をもっています。

 しかし、往々にして空港から病院、あるいは駅から病院と移動し、また逆を帰るというなかでしか生活を送ることができず、空いた時間をもち、あたりを見渡しながら空気をゆっくり吸うということができない状況にあります。

 とりわけ昼間は、病院のなかで仕事をしていることが多く、夜になり幹部の方や金融関係の方々とのミーティング、あるいは地域の名士の方々との会食といったことでの時間はあるものの、それはどこでも同じ環境での出来事になります。

 その土地の名産、名物といったものに出くわすことは稀にあるものの、その背景にある息遣いに思いを馳せるという余裕はありません。

 こうした、ほんの5分の休憩であっても、ふと空になることができるのは幸せです。

 常に医療を考え、常にその病院の本来の在り方や経営について病院幹部や現場の方々と時間を惜しみながら仕事をするときには、自分が持つすべての思いを投入しなければ、よい成果を出すことができません。

 しかし、こうして自然を愛でる機会をもてば、神経は緊張から解放され、心はゆっくりと呼吸ができるようになることに気が付きます。

 真夏ではないものの、日差しや通りすぎる風の体温があきらかに変わりつつあり、そして空気が濃い緑のにほいをしてくると、季節が移り変わりつつあることを身体全体で知ることができます。街は心なしか活気をもち、影は見えないものの、命をもったもの、すべての息遣いが聞こえてくるようです。

 私たちは、この季節の進む速度に追いつき、そして追い越しながら駆け抜けていかなければならない使命を帯びています。ときどきは、自分の後ろを振り返り、自分のいまいる場所と、いま生きている季節を確認しながら、次に進んでいくことが必要だと思います。