よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医師の意志

f:id:itomoji2002:20210905170122j:plain


昨日は大阪にいて、ある病院幹部へのヒヤリングを実施しました。

 院長始め病院幹部の医師の方々は、それぞれ現場での臨床業務をこなしながら、マネジメントに力を注いでいます。あらゆる場面で、組織運営への課題をもち、また課題を解決しつつ、日々の業務を絶え間なくこなしています。
 
 そうした意味で、医師という職業は、スペシャリストであるとともに、ゼネラリストでなければなりません。

 医師がよりマネジメントに積極的に関与することにより、病院のSWOTから誘導された戦略を具体的なかたちにしていくことができます。もちろん、SWOTがどうであれ、これをやりたい、という医師がもつ意志により、SWOTを凌駕して新しい方向をついくりだしていくことも可能です。

 俎上にも乗っていない事項を医師の思い(願望)といったものにしたがいつくりあげていく病院も散見されます。

 ある病院は療養病院から急性期への、それも脳外をはじめて成果をあげていますし、またある急性期病院は心臓血管外科を数人の医師を招聘してスタートさせた病院もあります。


 医師がいないからこれができない。集まらないからこれはできないということではなく、思いがあれば強い意志があれば、やりたいこと、なりたいことができるようになるという証左であると考えます。もちろん意志は情熱に昇華され、意欲に結実し、具体的なアクションに結びついて成果をあげることができます。

 思いだけでとどまるのであれば、それは夢でしかありません。夢は願望になり、情熱になり、意欲になり具体的な行動に変わり成果があがる。これは、病院の出来事だけではなく、すべてに当てはまることであると考えます。

 DPC病院として成果をあげていくためには、
①まずはベッドを埋める
②増患による在院日数の短縮
③手術患者の増加
④科別での、複雑性の高い特徴のある治療づくり
 というながれを作り出す必要があります。

 このプロセスでは、
①職員のスキルアップ
②仕組み見直し
③ブランド構築
④病院原価計算
⑤看護師・医師の招聘
といったことが継続的に実施されます。

 DPCに合致したマネジメント強化。そして現場での活動。といったものが適切に実行されてはじめてDPCがもつ、本当の意味が理解できるようになります。

 高密度で質の高い合理的な医療というキーワードを、どれだけ医療従事者が理解し、具現化できるのか。そのなかで、自らを鼓舞し、懸命に努力することができるのか…。

 病院経営幹部である医師の強い意志が、戦略やリーダーシップを誘導し、あるべきかたちでの病院マネジメントをつくりあげていくことができます。

 本気になって病院を変えたい、地域に貢献したいという思いを敷衍化していけるかどうかが、その評価基準となります。

 面談を終了し、目をキラキラさせている先生方の思いを知り、医師の意志に私たちも突き動かされ、ホワイトボックス社として支援体制をつくりあげていくことへの意を強くすることができました。