よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

瀬戸内海の島々に思う

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飛行機が着陸態勢に入ったあと、ふと外をみるとそこに瀬戸内海の島々が点在していました。いままで飛行機の窓側に座ることはなく、ほぼ通路、それも中央のシートの通路に座っているため、ほとんど外の景色を見る機会はありません。

 

まれに外を見るときには、雲海が広がっていたり、街が小さく見えたりということはありましたが、これだけ壮大な海や島々が点在するさまを見たことがありませんでした。

 

それは瞬間に目前に現れた、というかその瞬間私が視線を外に向けたというほうが正しいのかもしれませんが、写真では表現できないほどの壮大な景色が広がっていました。瀬戸内海は穏やかで綺麗な海という印象がありますが、青々と広がる海は期待を裏切らない美しさでした。

 

木々の緑があり青藍の海があり、静かな佇まいでその真ん中に島がある。このような落ち着いた環境のなかで生活したらどんなにすばらしいだろう、と思います。

 

早朝に、道を挟んだ民家からほど近い砂浜に入る、薄汚れた柵に寄りかかり、少しべとつくけれど、心地よい潮風に吹かれながら静かに目をつむります。そこでは波が海岸を洗う音しか聞こえません。

 

耳を覚ますと、ときおり海猫が戯れる鳴き声や近所の台所の朝餉(あさげ)をつくるトントンという音がかすかに耳に入ります。遠くを通り過ぎるバイクが、急な坂道を喘ぎながら登る唸り声がうるさく感じるほど町は静かです。

 

空気はこのうえなく澄んでいて、胸いっぱいに息をすると潮の香りで満たされた透明な空気がスーッと冷たく鼻腔を通りすぎていきます。ああ、なんて気持ちが良いのでしょう…。

 

突然ドスンという音を立て、ほんの少し弾みながら飛行機が滑走路に降りて我に返りました。10秒間ほど、目を閉じて、たわいのない、そしてとても幸せな安らぎを感じることができた時間でした。何げなく景色を見る、そしてその場に自分を置く。とても素敵な経験ができた機会です。

 

この経験はイメージすることの重要性を教えてくれます。

 

何かをただ客観的に捉えるだけではなく、さらに深くイメージし、自分の事として捉え、自分であればどのように感じるだろう、そしてどう思うだろう。そこにはどのような事実があり、どんなことが想定できるのだろうと考えてみるのです。

 

誰でも何かにつけて相手の立場に立ち、想像力豊かにすべてを自分の事として捉え、考える癖をつけることが大切です。

 

自分ならどうする、という判断の前提として「自分ならこう感じる、こう思う」ができるよう、常に想像してみることで、物事の判断や行動はより的確なものになると信じています。

 

随分昔に受講した戦略トレーニングで、「毎日いろいろなことに感動しよう、そのことで豊かな感性を磨き、透き通った意識で仕事をしよう」という指導があったことを思い出しました。今日、飛行機に乗り経験した感動やイメージと通ずるものがあります。

 

さまざまな場面において、相手の立場に立つ、誠意をもって行動することを絶対に忘れないようにしたい、と改めて思います。