よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

上海の有料老人ホーム建設計画の行方

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 先々週に、有料老人ホーム建設の企画で上海を訪問しました。上海郊外の開発地域に、たくさんのマンションが建設されていますが、その近隣の400坪の工場跡地に、有料老人ホームを建設しようという話です。

 近くの診療所の院長が、施設長となり医療を行える有料老人ホームを250床そして富裕層向けの自由診療の有料老人ホームを150床作るという話でした。

 その前に見学した上海の国営(しかし民間に運営委託している)有料老人ホームでは、24時間各部屋に看護助手が寝泊まりしています。いわゆる生活支援、そして身体介護を行います。看護師さんは医療だけといった棲み分けができていて、実際に彼女たち助手の報酬は3000元ということで、これは安くてなかなか人があつまらないということでした。3000元は約45000円程度でしょうか。

 しかし、訪問ヘルパーサービスを行っているところでは6000元のところもあり、かなり介護者が少ないため、賃金が高騰しているということでした。

 24時間狭い椅子を横にしたようなところに寝泊まりする助手さんも凄いと思いますが、介護度でいえば2~3といったところが多く見受けられました。

 上海には介護度といったスケールはあるものの、普遍化されていないようで、介護教育の学校もありますが、介護のスキルは低い。なぜ、レベルの高い日本から上海の施設を見学に来たのですかと聞かれるほどでした。

 しかし、中は落ち着いており、図書室あり、熱帯魚を飼っている部屋あり、子供が楽しめる部屋あり、パソコン室あり、リハ室あり、そして映画館まであります。上海の中心地にあるその施設は500人の施設を富裕層が入ることを想定して400室で運営しており、なかなか贅沢なつくりになっていました。

 まだまだ、こうした施設は少ないものの、あっという間の勢いで建設が進んでおり、しかし、介護スタッフが足りない、ノウハウがないと施設長は話していました。

 上海は言われているほど混乱はなく、人は皆親切で情報交換をしっかりと行うことができました。
高齢化が先に進んだ日本の医療や介護のノウハウを伝えることで、多くのアジアの国々の人々が高い効用を得ることができます。
 求められているノウハウを、もちろん国内でも強化しさらに質を高めていく工夫をすると同時に伝えていくことも必要ではないか、また先行する日本の義務ではないかと考えたりしました。

 写真下は老人ホームのなかにある映画館の椅子に座るココチケアの近藤先生と、看護師である当施設の施設長です。彼女はとても凛としていて、はっきりといろいろ申し訳ない。私も日本車の買い替え時期にデーラーに行けないと話していました。目がきらきらした素敵なリーダーでした。