よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

介護事業を守るために

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 介護事業を守るために、保険だけに依存した介護事業をしてはなりません。自費にすればよいのではなく、一般企業が高齢化を日本の優位性として捉え、高齢者が健康で豊かに暮らせる社会をつくるために叡智を出し、新しい聖商品サービスやソフト、システムを開発するためのマーケティングの場として介護事業を行うことが必要です。
 
 そうすれば、介護事業は本来事業の一環として、コストセンターとなることができます。すくなくとも、プロフィットセンターではなくとも収支トントンでの介護事業ができれば、本業につながるサービスを開発することで、事業として利益を得ることができるようになります。
 
 例えば、食品メーカーが新しいメニューや新しい加工食品を製造し、マーケティングの場として介護事業を捉えることで、多くの情報を得て、よりニーズの高い聖商品を開発することができますし、同様にインターネットを使いやすく、学習の基礎とすることで介護事業のなかでの利用を促進し、高齢者向けツールを開発すること、高齢者がPCを使いやすく改善すること、教育を行うことなどにより新たな商製品が開発されること、あるいはアパレルがメーカーと組んで高齢者マーケットに投入する素材開発を行うなかでデザイン性やカラーの衣服を開発することがそれです。高齢者を対象とする新分野は多岐にわたり、新創造を行うことが可能です。
 
 さらにはスーパーが介護事業を通じて育成したヘルパーを現場にだし、25%の高齢者がいる社会において、高齢者のためのサポートを行う体制をつくること、それは当然にマーチャンダイジングや価格帯、デリバリーの効率化、メーカーと組んでのパッケージの開発等に役立たせること、高齢者のナレッジをどのように生み出すのか、あるいは維持するのかについての研究などなど、さまざまな開発を通じ、海外マーケットをも含めた事業展開を行うための基礎とすることが有益です。
 
 介護保険はいずれにしても破綻します。2025年には介護給付は20兆円ととてつもない額になり、国家としてこれを国民の大きな負担なくして継続することは困難な状況になっています。
 
 海外からスタッフを受け入れるということもあるとしても、スタッフ不足の問題も介護事業継続の阻害要因となっています。一般企業が介護事業に参入する。これが日本の介護を安定させ、次の社会に向けた経済成長産業として介護、及び周辺事業を価値のあるものとするために必要不可欠な戦略であると私は考えています。